庭で営巣していた3家族のアシナガバチが巣立った。
ラベンダーのヤマトアシナガバチ
最初にいなくなったのは蔓草に覆われたラベンダーの枝に巣を作ったヤマトアシナガバチ。
9月中旬にはとても賑やかな一家になっていた。草をちょっとだけかき分けて撮影したけれど、うろたえる様子はなし。
巣がカラになっているのを確認したのは11月7日のこと。一日中日の当たる暑い場所だけれど、ヘクソカズラやヤブマメが覆いかぶさって案外過ごしやすかったらしい。
黄色い繭キャップが鮮やかだ。ヤマトアシナガバチの巣の大きさは50室ほどと図鑑で読んだ。この巣は60あるみたい。
地面に近い枝だったが、巣の軸や上部は蟻に襲われないように忌避物質でたっぷりとコーティングしてある。
前伸腹節に紋があるセグロアシナガバチということで
下画像は11月7日に撮影したリンゴの枝のアシナガバチ。ヤマトアシナガバチの巣が空だったんで、こちらも巣立ちが終わったかと期待したんだが、女王蜂がまだ残っていた。夏の間は下草に覆われて判別できなかったのだが、どうやらセグロアシナガバチの巣だったようだ。
下画像のモッコウバラの鉢植えの巣にも、まだいく匹か残っているみたいだ。
一番観察しやすかったこの鉢植えの巣ではオスたちがたむろす様子も撮影できた。
この巣は当初キアシナガバチの巣だとばかり思っていた。そして、この写真のオスを見る限り背中に紋がない。こちらもやっぱりセグロアシナガバチか?
下画像は、8月初旬のこの巣の写真。この頃の蜂たちには背中にキイロアシナガバチのような紋があったのだ。でも、触角の色はセグロアシナガバチのようだった。
11月の巣にいる蜂たちはどう見てもセグロアシナガバチだよね。
手元にある「ポケット図鑑日本の昆虫1400 (2)」のP274のセグロアシナガバチの説明に、「本種の前伸腹節(胸〜腹部第1節)は全体が黒色となることが多い」という記述があって、つまり我が家にやってきたのは少数派の、前伸腹節が黒色にならなかったセグロアシナガバチということなんだ、きっと。
11月11日、セグロアシナガバチも巣立った
ヤマトアシナガバチから遅れること1週間。2つの巣が空になっているのを確認。
左から、リンゴの枝のセグロアシナガバチの巣、鉢植えのキアシナガバチっぽかったセグロアシナガバチの巣、そしてヤマトアシナガバチの巣。
セグロアシナガバチの巣2つはこの種にしては小型なんだろうか?真ん中の植木鉢の巣が引っ越してきて再建した巣ということを考えると右端のものも同様な事情があったのかもしれない。
ヤマトアシナガバチの巣はこの種にしては繁栄した部類に属するのでないかな?
アシナガバチは大人しい?
今回、アシナガバチ3家族と庭をシェアした間、危険を感じたことは一度もなかった。50センチほどの近距離を毎日のようにウロウロしたけれど彼らは巣から出てこない。巣が野草などにふわりと覆われていたのも蜂たちが落ち着いて生活できた要因かもしれない。
ひらけた空間で露出した巣だったら、近づくと威嚇ぐらいはしてきたかもしれないので、危険ではないとは言い切れない。家族の危険を感じたら攻撃してくるのは当然だろうし。
とにかく今年はアシナガバチと過ごした夏だった。興味深くはあったけれど、来年の巣作りは阻止すべく庭木に手を入れねば。
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