梅の静かな開花
東の庭にある品種不明の実梅は、我が家で一年で最初に咲く花だ。素人剪定のせいで花の少ない年もあるが、今年はたくさん咲いてくれた。でも、ミツバチたちの賑やかな羽音が聞こえてこない。
この梅は毎年1月に満開になる。下の画像は1月23日のもの。この写真を撮影するときに違和感を感じた。
少し考えて気付いた。静かすぎるのだ。
大分県にある我が家。冬に雪が降ることもあるけれど、太陽が出る日は風さえ吹かなければ寒さも緩み、真冬でも昆虫たちは活動する。この梅の花に他に先駆けて姿を現すのがミツバチ。満開時にはブンブンとうるさく飛び回るのが常なのだ。
でも、今年はその賑やかさがない。
アインシュタインがミツバチが絶滅した4年後には人類も滅亡すると言ったらしい。羽音の聞こえない満開の梅の傍で、そんなことを思い出してしまった。
この文を書いているのは春分の日、3月20日。梅の枝にはポツリポツリと膨らみ始めた果実が見える。まだミツバチは見ていないけれど、スズメやヒヨドリ、メジロたちが受粉してくれたのかもしれない。羽音なく飛ぶヒラタアブには出会うのだけれど。
まだまだある早春の花
いく本かの常緑樹を除いて茶色っぽい庭のあちこちで、常連の花たちが咲いている。お向かいの家から分けてもらった水仙は3年目を迎えて、かなり株数を増やした。今年は株分の予定。品種は不明。
アスファルトとブロックの隙間ではスミレが頑張っている。これは蟻たちの贈り物。年によってはビオラがここから生えてくることもある。
思いがけず、杏が花をつけた。1年苗を鉢植えにして、2年目の冬を越したから、3年苗の開花ということになる。品種はニコニコット。この冬に植え付けるつもりだったが、もう根が動き始めているかもしれない。時期を逸してしまった。ふんわりした印象の愛らしい花だ。ただ、こんなに密に咲いた花にもミツバチが来ない。
3月も中旬になると、ホトケノザの背丈が伸び始めた。白い花はハナニラ。引っ越してきた2016年にはなかった花だが、2019年に一株出現。それから徐々に勢力を拡大している。
鉢植えのニオイ椿、「港の春」も今が満開。小ぶりでコロンとした形の愛らしい花で、顔を寄せると甘く香る。花が咲き終えたら鉢増しの予定。
もうじき4月になるのにミツバチに会えないのは異常なのか?あるいは我が家に来ていたのは養蜂家の巣箱にすむ蜂たちで、今年は別の場所に移動しているだけなのか?
なんだかモヤモヤする春だ。