柘植の木の蜘蛛マンション
敷地の端に樹高70センチほどの柘植があって、ここ数年コクサグモたちが巣をかける。季節外れの夏日の終わりとともに蜘蛛たちも姿を消していく。
コクサグモのお宅拝見
樹高1メートルに満たない柘植の木を覆い尽くすように、14匹のコクサグモが巣を作っている。アスファルト道路とコンクリート張り駐車場に囲まれた細長い花壇の端にあり、一日中陽の当たる場所だ。
どの住居も広いテラスと、こじんまりとした洞穴のような巣穴を備えている。
コガネグモやジョロウグモは空中に張った大きな巣で雨ざらしの生活をする。柘植を覆い尽くすコクサグモたちの住居はどれも快適そうで、こんな家なら一泊してもいいな。ササグモの家をもたない主義も好きだけれど。
柘植が一番入居率が高いが、この蜘蛛はルリマツリにもグレビレアにもナンテンにも巣をかける。細かな葉が密に茂る植物が好きらしい。下はルリマツリに住んでいるコクサグモ。
水平に、密に糸を巡らしたこの蜘蛛の巣は、雨が降ると水滴でキラキラ光る。
そんな時、蜘蛛たちは快適な巣穴にすっぽり入る。
下は、バラの茎の間に巣をかけたコクサグモ。落ち葉を利用した素敵なテントを持っている。
時には地面近くの下草に巣をかける変わり者もいて、歩く時にはつま先に引っ掛けないように気を遣う。
秋風とともに姿を消したコクサグモ
11月になると急に寒くなった。柘植の木の住居は軒並み空き家になった。巣を去る時が訪れたのか。
1匹だけ残っていた。人が近づくと素早く巣穴に消えるコクサグモだが、寒さで弱っているのか動きが鈍い。
糸を巡らしたテラスの手入れもまなならぬ様子。
お腹がぷくりと丸い。産卵時期なのだと思う。
コクサグモは壁面に卵嚢を貼り付けるように産みつけた後、覆いかぶさるように保護するという。この個体もじき巣を捨てるのだろう。
全てのコクサグモがいなくなったら、少し時期が遅れたけれど柘植の剪定をするつもりだ。
12月7日追記:柘植の木を剪定
上の写真のコクサグモは2日後に死んでいた。もう幾日か暖かければ子孫を残せたかもしれない。
蜘蛛たちは去ったが、12月まで待って柘植の木を剪定した。剪定といっても、大雑把に丸く整えただけだけど。
今、柘植にはツチイナゴが住んでいる。剪定の際、日光浴を邪魔してしまったが、すぐにこの木に戻ってきた。
ここで越冬するみたいだ。
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