アシナガバチの巣作りは重労働に違いない

隣地に面したブルーベリーに営巣を始めたコアシナガバチ4姉妹の巣を撤去したのが4月のこと。
そして5月下旬、フェイジョアの枝にすでに繭のできた巣があることに気づいた。

フェイジョアのコアシナガバチ

幼虫のために肉団子をくわえて巣に戻ってきた女王蜂だ。孵化を待つ卵と、蛹が入った繭キャップが見える。
高さ、幅とも2メートルほどに育ったフェイジョアのほぼ中央の枝、地上1メートルほどの高さに巣がある。さて、どうしたものか。

巣に肉団子を運んできたコアシナガバチの女王蜂
肉団子をくわえたコアシナガバチの女王蜂:20230528撮影

働き蜂が羽化した段階で発見した巣は、人間に危険な場所ではない限りそのまま営巣してもらうことにしている。まだ女王蜂1匹だけだから、彼女の留守中に巣を取り去ればいいだけなんだが、どうしようか。

ここは道路から2メートルの距離がある。6月中旬にはオシロイバナが地上1メートルほどにこんもりと盛り上がり、その上にノウゼンカズラが枝を伸ばして、道路とフェイジョアの間に緑の帳が降りる。

フェイジョアは受粉と摘果が終わってしまえば、11月の収穫までは放任で良いし、毎年この株の足元から伸び上がる朝顔がフェイジョア全体をふわりと覆うはずだ。

よって、このままコアシナガバチにいてもらうことにした。その代わり、ウッドデッキに誘引したブドウ(安芸クイーン)にチラホラと現れたブドウスカシクロバの幼虫の駆除を蜂たちにお願いしたい。

ただ、1つ心配が。巣のある場所は枝の密度が低く見通しが良すぎるのだ。アシナガバチの巣を襲うヒメスズメバチに見つかってしまうんじゃなかろうか?

やっぱりヒメスズメバチに襲われた?

ちょうどフェイジョアが満開で、巣の周りを受粉作業で人間がウロチョロするけれど、特に問題なく共存。いい感じだ。

フェイジョアの花
指先で花を触れて受粉作業:20230529撮影

雨の日も、暑い日も頑張る女王蜂のことが、ついつい気になって覗きにきてしまう。

雨の中巣の上で頑張っているコアシナガバチの女王蜂
雨の日も頑張るコアシナガバチ:20230530撮影

葡萄の葉上で死んでいるコアシナガバチを見つけた時には、もしやフェイジョアの女王蜂じゃないかと慌てて確認に走る始末。
女王蜂を巣の上に見つけてほっと安心。

葡萄の葉上で死んでいたコアシナガバチ
うつ伏せていたので触るとコロンと転がった:20230607撮影

でも、9日、巣の形がおかしなことになっている。これはヒメスズメバチが巣をかじった痕だろうか?

すでに蟻たちがやってきて後始末を始めている。

壊れたコアシナガバチの巣に蟻がやってきた
壊したのはヒメスズメバチだろうか?:20230609撮影

もちろん女王蜂はいなくなってしまった。

葡萄の葉裏の女王蜂

その翌日、コスズメ幼虫を探していて、ふと見上げた葡萄の葉裏で、巣を作り始めたばかりのコアシナガバチを見つけた。タイミング的にフェイジョアにいた女王蜂ではなかろうか。

葡萄の葉裏に巣を作り始めたコアシナガバチの女王蜂
フェイジョアの女王蜂だろうか?:20230610撮影

雨晒しで見通しが良すぎた以前の巣とは異なり、雨に濡れることなく、天敵に見つかりにくい場所を選んだものか。

しかし、しかしだ。葡萄の葉はちょっとの風で揺れるのだよ。台風がやってくれば裏返ってビショビショになるだけでなく、巣にしがみつくのが大変になるくらいGがかかると思うのだ。ああ、心配だ。

葡萄の葉裏のコアシナガバチの巣
かなり不安定な場所だと思う:20230614撮影

コアシナガバチはそれから数日、巣を作りづつけた。

葡萄の葉裏のコアシナガバチの巣とニホンアマガエル
アマガエルが近すぎない?:20230616撮影

そして、6月16日を最後にいなくなった。

放棄されたコアシナガバチの巣に卵が見える
女王蜂がいなくなった巣。卵だけが残った:20230617撮影

体力が尽きてしまったのかもしれない。

でも、庭では別のコアシナガバチが幼虫のためにハンティングをしていた。

カマキリの幼虫を肉団子にするコアシナガバチ
獲物はカマキリの幼虫だ:20230614撮影

きっと、フェイジョアの彼女の姉妹たちがどこかで頑張っているに違いない。