6月24日:ヤマトシジミが死んでしまった

6月1日から飼育ケース住まいしていた羽化不全のヤマトシジミである。出会った日に羽化したとして、蝶になって24日間生きた。

蝶(成虫)になったら2週間しか生きないと思っていた

同じように羽化に失敗して先に飼育ケースに住んでいたモンシロチョウは2週間生きた。なのでヤマトシジミも同じくらいで死んでしまうと覚悟していたのだ。

朝「生きてるかな〜?」とケースを覗き、昨日の花に取り付いてすでに朝食中だったり、床の上でしゃんと羽を起こしていると「おおっ頑張ってる!」と、摘んできた新しい花を入れるのだ。

野菊から吸蜜するヤマトシジミ
花瓶を登って蜜を吸っていた:20200621撮影

蜂蜜水しか飲まなかったモンシロチョウと違い、自分のペースで花から吸蜜するのが良かったのか、産卵に体力を消耗しなかったことが長寿につながったか。このシジミチョウはメスなのだ。

食欲だけは最後まで

20日過ぎあたりから、活動が若干鈍ってきたヤマトシジミ。花瓶を歩いて登るのが難しくなったと判断。

ペットボトルのキャップに花だけを集めてケースの床に置くようになった。新しい花が来るとそわそわするのは初日と変わらない。

ボトルキャップに挿したカタバミから蜜を吸う羽化不全のヤマトシジミ
カタバミは晴天の朝だけのご馳走だ:20200623撮影

さらに歩みがヨロヨロしたものになり、キャップに活けた花までよじ登るのに足がかりが必要になってきた。そこで畳んだキッチンペーパーに切り込みを入れその中にキャップをセットすることに。

畳んだキッチンペーパーに十字に切れ込みを入れる
切れ込みの中にボトルキャップをセットする:20200624撮影

こうするとなんとか自力で花にたどりつけるのだ。

ボトルキャップに入れたカタバミの花から吸蜜するヤマトシジミ
キッチンタオルの足場付き:20200624撮影

お日様とカタバミと

24日朝、ケースの床にじっとしていたが、指を差し出すといつものようにトコトコ登ってくる。そのままカタバミの花の上に下ろすと活発に動き始めた。

この日は風のない梅雨間の晴天。カタバミ大盛りキャップの上で、ゴキゲンなヤマトシジミをケースから連れ出し、2度目の記念撮影である。

陽光の中で吸蜜する羽化不全のヤマトシジミ
山盛りカタバミにちょっと元気を出した:20200624撮影

そして、この日の夕方、新しい花盛キャップを手にケースを覗くと、床に横になって死んでいた。

蝶たちがいなくなった飼育ケース

羽化に失敗したクシャクシャ翅の蝶を見つけて始まった、モンシロチョウとヤマトシジミの飼育は1ヶ月で終わり、残った飼育ケースを見ると少し寂しい。

花いっぱいの飼育ケース
住虫がいなくなった飼育ケース:20200624撮影

モンシロチョウの体は、おそらく幼虫時代に過ごしたであろう東の庭の蕾菜のあった場所に、シジミチョウは見つけた場所に近い西の庭のカタバミの茂みの中に置いた。すぐに蟻たちが見つけただろう。

一心に蜜を吸う!ひたむきな蝶たち

勝手な思い入れだが、我が家にとって特別な2匹の蝶である。

羽化不全のモンシロチョウとヤマトシジミ
頑張る蝶たちの背中:20200606撮影

与えられた環境で生き抜いたのだ。