成虫になって2週間生きた、翅がクシャクシャのモンシロチョウ

2週間前、5月25日に飼育を開始したモンシロチョウと、1週間前の6月1日にやってきたヤマトシジミは、ともに羽化に失敗した蝶だ。
モンシロチョウは蜂蜜水、ヤマトシジミは主にシロツメクサを主食に生活していたのだが、モンシロチョウが2週間生きて、今日死んだ。

モンシロチョウには蜂蜜水、ヤマトシジミにはシロツメクサ

飼育を開始して、朝の日課の1つに蝶の朝ごはんの支度が加わった。

モンシロチョウが食べるかもと、試してみた花は、蕾菜、ヒメジオン、スカビオサ、ラベンダー、アニスヒソップ、カタバミ、春菊、たんぽぽ、ローダンセマム、オルレア、パンジー、キキョウソウ・・・。でもどれも食べない。
最初に蜂蜜水の味を覚えてしまったからかもしれない。

相棒のヤマトシジミは蜂蜜水ではなく、花を吸蜜するのが好きだ。ありがたいことに近くにクローバーの群生があり、毎朝新しい花を摘んで提供している。

下が、ある日の蝶たちの朝ごはん。

モンシロチョウとヤマトシジミの朝ごはん
蜂蜜水と小花のブーケ:20200607撮影

ヤマトシジミは新しいシロツメクサを入れるとそわそわ。花の上に乗せると迷わず吸蜜を始める。どのくらいの蜜の量が必要なのか見当がつかない。とりあえず2束を用意している。

飼育ケースの中でシロツメクサを吸蜜する蝶(ヤマトシジミ)
おかわりのブーケも追加:20200607撮影

モンシロチョウは保護した日から毎日、ペットボトルキャップに入れた蜂蜜水を抵抗なく吸っている。人間が来るとご飯だとわかるのか飛べない翅をパタパタするのだ。

パタパタするとその反動で体が転がってしまう。2週間前はクシャクシャなりにまだしっかりしていた翅がボロボロになってしまった。

ペットボトルの蓋に入れた蜂蜜水を吸う羽がクシャクシャのモンシロチョウ
羽がボロボロになってしまった:20200607撮影

最初、蜂蜜水の濃度に悩んだ。
蜂蜜を10倍に薄めるという情報もあったが、この蝶は、もうちょっと濃い味が好みのようだ。8倍くらいだろうか。人間が舐めても十分甘いがほんの少しだけ物足りない感じ。最初は計量していたが、3日目ぐらいからは味見で決定。いい加減なのだ。

飼育ケースでシロツメクサにつかまっている羽化不全のモンシロチョウとヤマトシジミ
問題なく共存しているみたいだ:20200606撮影

飼育開始14日目、モンシロチョウの様子がおかしい

はじめのうち、1日1回の吸蜜だったモンシロチョウ。最近の暑さのせいか、朝夕食事をするようになった。
7日からは短い吸蜜を数回に分けて行うようになった。口吻をクルルと巻き上げたので食事終了かと下ろすと、またすぐに口吻を伸ばして動き出すのだ。

8日の朝、数度に分けて朝ごはんを食べた数分後、ケースの底に仰向けになっていた。指につかまらせて起き上がらせたが、昨日までできていたケースの側面や花にぶら下がることもしない。

そして夕方、死んでいた。

モンシロチョウのために作ったブーケ
この葡萄の葉陰で死んでいた20200608撮影

ヤマトシジミ飼育開始から1週間経過

こちらも羽化不全のヤマトシジミ。今のところ活発に動いている。うまく開かなかった翅は一枚だけのようだ。

飼育ケースの中でアニスヒソップの花のてっぺんにいる羽化不全のヤマトシジミ
ヤマトシジミは一週間生きている:20200608撮影

高いところにトコトコ登っては飛翔を試みるのだが、その度に落ちる。モンシロチョウは直下に落ちていたが、こちらは斜めにジャンプする感じだ。油断するとケースの縁からこぼれ落ちるのだ。

ケースの外には危険がいっぱい

ウッドデッキには捕食者が常駐している。ニホンカナヘビもウロウロしているし、植木鉢には暑さを避けてやってきたアマガエルもいる。

植木鉢のカランコエの葉っぱの上のカエル(ニホンアマガエル)
避暑にやっってきたニホンアマガエル:20200607撮影

ある日は飼育ケースの下にアダンソンハエトリが隠れていた。

飼育ケースの下に潜む小さな蜘蛛アダンソンハエトリ
ケースの外には危険がいっぱい:20200604撮影

日中は暑さ対策のためにケースの蓋を開けているので、もしかしたらヤマトシジミが外に出てしまうかもしれない。捕食者がケースの中に入って来るかもしれない。

そんな心配もあるが、食い食われるのは自然なことなのだと割り切っている。羽化不全の蝶を生かすのが不自然なのだ。けれどイレギュラーも常に生じるものなのだ。