コマツヨイグサ命の黒い幼虫

玄関前の砂利スペースに生えているコマツヨイグサに黒い芋虫がやってくる。スズメガの一種、セスジススメの幼虫だ。

漆黒ボディに黄色が映えるセスジスズメの幼齢芋虫

6月のこと、乾燥した砂利面に張り付いて生えているコマツヨイグサに、黒くて小さな芋虫がいた。凛々しくもピンと尻尾を立てたセスジスズメ(スズメガ)の幼虫だ。同じくスズメガのコスズメ幼虫は毎年葡萄の葉を食べて育つけれど、こちらはコマツヨイグサが大好物。

コマツヨイグサを食べる綺麗な黒い芋虫(セスジスズメの幼虫)
漆黒ボディに黄色が映える:20210617撮影

成長するとシュッとラインの入ったカッコイイ蛾になる。けれどこの芋虫、翌日姿が消えていた。

この頃、我が家では雀たちが子育ての真っ最中。巣立ったばかりの子供たちも加わり大家族になった雀たちは電線に一列に並び、時にはみんなで地面に降りて何かを啄んだりと忙しかった。
玄関戸を開けた途端に一斉に庭から飛び立つこともあり、この幼虫は育ち盛りの雛たちに食べられたのかもしれない。脅しにくっつけている黄色い目玉は役にたたなかったか。

8月、再びのセスジスズメ

8月猛暑の日差しの中、再びセスジスズメの幼虫が出現。前回の個体よりもちょっと育ち、模様に赤が入っている。
この時、玄関先の透水平板を(芋虫なりの)猛スピードで一直線に這っていた。

進行方向にはコマツヨイグサの生えた砂利土がある。食べ物の匂いが道標か。

透水平板の上を這う黒い芋虫(セスジスズメの幼齢幼虫)
土にある場所へ向かって急ぎ足で板を這い渡る:20210810撮影

豪雨の中、頑張るセスジスズメ

翌日、黙々と葉をかじるセスジスズメがいた。
下画像、翌々日の12日にも豪雨の中、コマツヨイグサにしがみ付いてる幼虫を確認。大きな雨粒の直撃に耐えている。

豪雨の中コマツヨイグサを食べるセスジススメの幼虫
雨の中頑張っているセスジスズメ:20210812撮影

そして13日、またしても幼虫が消えた。この日、上の写真を撮影した箇所から70センチほどの距離にヌマガエルが2匹いた。雨続きでカエルたちの活動が活発になっているのだ。もしかして食べられてしまった?と意気消沈。仕方のないことだが。

ひと回り大きくなったセスジスズメ幼虫

15日、雨が小休止に入ったので、敷地の排水溝の点検に外に出た。すると、いました。セスジススメ。今日もコマツヨイグサの葉をもりもり食べている。脱皮して雰囲気が変わった。滑らかだった体にひだのような凹凸が生じ、目玉模様もさらに迫力を増している。これならスズメたちも手が出せないだろう。

コマツヨイグサを食べるセスジスズメの幼虫
脱皮してひと回り大きくなっていた:20210815撮影

人間に踏まれないか心配だ

ただ、セスジスズメが食事している場所は我が家の玄関の正面だ。ここは我が家で砂漠地帯と呼んでいるエリア。コンクリートを張った左右の駐車場に挟まれた3平方メートルのこの砂利土の上にしかコマツヨイグサは生えてない。

下画像、白矢印の先にセスジスズメがいる。踏まれないほうが不思議だ。

雑草チラホラの砂利スペース
コンクリートに囲まれた1×3メートルほどのスペースにセスジスズメは住んでいる:20210815撮影

明日の朝、コマツヨイグサごと立ち上げ花壇の中に移すべきだろうか?

追記:一時避難させました

17日の夕刻、玄関の真正面の透水平板の上でモグモグ中のセスジスズメ。この夜、来客があるので踏まれること必至である。

透水平板の上のセスジスズメ終齢幼虫
玄関の真正面でモグモグ:20210817撮影

そこで、コマツヨイグサごと立ち上げ花壇の中に強制退避させた。コマツヨイグサは根を土ごと掘り出して移植。セスジスズメはつまみ上げて移動。すべすべひんやりした感触だ。

まるまったセスジスズメの終齢幼虫
コマツヨイグサを移植して強制引越し:20210817撮影

びっくりしてまるまった幼虫だが、すぐに気を取り直してモグモグを再開。

コマツヨイグサにとりつくセスジスズメ幼虫
すぐに食べはじめた:20210817撮影

19日、花壇に移植したコマツヨイグサをあらかた食べ尽くしたので、玄関脇のコマツヨイグサの株にもう一度強制引越し。その後姿を見ていない。無事土に潜ったか、食べられたか。