冬を耐えるカマキリ
年末12月27日に南側の窓の網戸にいる大きなカマキリに気がついた。
逆三角の顔、キュッとしまったウエスト、獰猛さ漂う前足、カマキリはとても好きな昆虫の一つだ。
冬を越せない成虫
年が明けて1月3日、同じ場所にカマキリがいた。昼には陽が差し、ウッドデッキの屋根の下、霜に当たることはない環境だ。庭には雑多な生き物がいる。
暖かい間は食料には事欠かなかったのだろう大きな個体だ。オオカマキリと思われる。

カマキリの成虫は冬を越すことはできない。カマキリは卵で越冬する昆虫だ。
この場所は晴れた風のない天候ならば昼の間だけ暖を得られ、つかまりやすい足場が多く、鳥にも見つかりにくい。
最期の場所をここに決めたのかもしれない。

ウッドデッキに置いている植物への水やりに、どうしても近くを通ることになる。すると頭を動かす。
しばらく食事をしていないに違いないが、眼光強く、未だ猛々しく見える。
臨終の場所を我が家の窓に決めたのだとしたらなんとなく光栄な気がする。
2018年のハラビロカマキリの産卵
去年、産卵直後のカマキリに出会った。多分ハラビロカマキリだ。
卵を産みつけた場所は我が家の玄関。インターホンの数センチ下だ。

来訪された方に、これはなんですか?と時折尋ねられる。画家H・R・ギーガーの世界を彷彿とさせるこの形態、見る人もなんらかの生命体であることは推測するらしい。

下はフェイジョアに産み付けられたカマキリの卵。ヒダヒダが顔にしがみつく指のように見える、これに尾っぽがあれば完璧に映画エイリアンに出てくるフェイスバガーだろう。

以前住んでいた標高200メートルくらいの場所では、泡のような質感のオオカマキリの卵をよく見ていたのだが、この庭にはハラビロカマキリの卵しかないようだ。
網戸のカマキリの最期を見届け、ミニチュアサイズのちびっ子カマキリがこれらの卵からジャワジャワ孵化してくる春を待つことにする。