ゴマダラカミキリは樹木を食害する困ったちゃん。でもカッコ良いのだ

カマキリと並んで、その姿が好きな昆虫の一つがゴマダラカミキリ。成虫も幼虫も、樹木を食べる草食昆虫だ。特に幼虫は樹木の内部を食い進み、成虫になって幹に大きな穴をあけて出てくる。

ゴマダラカミキリは背中に夜空を背負っているのだ

庭で薔薇ブルームーンの茎にしがみついて食事中のゴマダラカミキリを発見。
光沢のある漆黒の背羽の上の白い点々が夜空の星のようだ。
手足のつや消しプルシアンブルーも冴え冴えと、宇宙を連想させるのである。

バラの茎をかじっているゴマダラカミキリ
食事の真っ最中を発見:20190602撮影

即、捕獲。手配写真で「アハ!体験」

長い触角を左右に振りながら、バケツの縁を歩くゴマダラカミキリをパチリと撮影。
この昆虫の甲冑感漂う風貌と、色彩からくる宇宙への連想、植物に致命的なダメージを与える(おそるべき?)力、この3つの要素が何かを想起させるとモヤモヤしていたのだが、この写真を編集しながら机上で小物入れとして使っているBB-8(映画スターウォーズに出てくるドロイド)缶が目に入り、久しぶりのa-ha!体験!

ダース・ベイダーである。

黄色いバケツの縁を歩くゴマダラカミキリ
ダース・ベイダー?:20190602撮影

そうだ、そうであったか。ベイダー卿に存在感が似ているのだ。

まだ生まれたて?

上の写真を撮影中、羽を広げて逃亡を図ったゴマダラカミキリ。この個体は飛ぶのが下手で、近くの風知草の鉢植えに着地。飛行距離1.5メートルというところか。

風知草の葉の上のゴマダラカミキリ
ほっとくことにした:20190602撮影

まだ若い個体なのかもしれない。後日山に連れて行くことにしてしばらく庭で生活させることに。
とりあえず「アナキン」と命名。

アナキン、ロシアンオリーブの枝をガジガジかじる

3日後、風知草のすぐそばの鉢植えロシアンオリーブをかじっているのを確認。樹皮がお気に召したらしく、枝がところどころ丸裸になっている。

ロシアンオリーブの枝をかじるゴマダラカミキリ
食欲旺盛のベイダー:20190605撮影

その3日後、名無しの白薔薇の葉にいた。5メートルほど移動している。

バラの葉の上のゴマダラカミキリ
名無しの白薔薇の葉の上にいた:20190608撮影

日増しに食欲旺盛になってきたのか、このバラの枝をがっつり食べている。

ゴマダラカミキリにかじられて折れたバラの茎
ベイダー卿、やってくれてました:20190608撮影

罰として、青空を背景にモデルを務めていただいた。

青空を背景にバラの蕾の上にいるゴマダラカミキリ
青空をバックに記念撮影:20190608撮影

ゴマダラカミキリ、森へ帰る

庭で遭遇してから10日後、薔薇クイーンエリザベスの枝にいるアナキンを捕獲。空気弁のあるタッパーに入れて、山にドライブである。

タッパーの中のゴマダラカミキリ
囚われのベイダー卿:20190612撮影

山道を走り、民家から遠く離れた山中に車を止めて、蓋を開けて高くかざすと、タッパーの縁に這い上って森を見つめるアナキン。

タッパーから出て森を眺めるゴマダラカミキリ
森林の宇宙へ飛び立とうとするベイダー卿:20190612撮影

上の写真を撮った直後、あっさりと飛び去っていった。
出会った初日とは雲泥の、鮮やかな飛翔だった。