フェイク毒虫:キバラケンモン
鉢植えベゴニアにいかにも毒がありそうな毛虫がいた。猫の外ケージと2メートルも離れていない場所だ。毒毛虫ならお命ちょうだいせねばならぬ。
急ぎ調べたところ毒蛾の真似している無害な毛虫と判明、成虫になると白地に黒の幾何学模様がゴージャスな蛾、キバラケンモンだ。
毛虫の画像があります。苦手な方はご注意を!
毛玉帽子と白い腹毛の毛虫集団、リンゴを襲う
最初の一匹をベゴニアにいるところを発見。真っ白い腹毛と、頭とお尻の双方にフタコブの毛糸帽子をくっつけた、朱色の文様鮮やかな毛虫である。葉を食べている様子はない。調べたところ食性は広葉樹の葉とあった。

この12月でも葉を残しているすぐ近くの広葉樹、リンゴに目をやると・・・、いましたウジャウジャ、鈴なりである。

カウントしたところ、31匹。
この光景はもしかしたらかなり気持ち悪い状況なのかもしれない。が、この数年で昆虫への免疫がついてきたらしく、写真に収める余裕が出てきた。
静電気になびきそうな柔らかく繊細な長毛がふわっと体から立ち上がっている。

iPhoneを向けても気にせずムシャムシャを継続。終齢幼虫のようでほとんどの個体が5センチほど。
順次、繭を作るキバラケンモン
ベゴニアのキバラケンモンは数日後には葉っぱを丸めて繭を作り始めた。

リンゴに群がっていた幼虫たちも、日に日に姿を消し、12月16日現在3匹のみとなっている。庭を歩く時はかなり注意が必要で、地面を移動中の幼虫が散見される。
ウッドデッキ上にて繭作りに励むキバラケンモンたち
ウッドデッキの床をもぞもぞ這っている個体もいて、そのうちの1匹は鉢植えのゼラニウムに到達。どうやらここで繭を作り蛹になることに決めたようだ。

翌日には器用に3枚の葉を引き寄せて繭を作る部屋が完成していた。

最初の一匹が営繭したベゴニアの別の枝でも、新たな個体が懸命に作業中だ。小さな爪で糸を手繰るように何度も往復して糸をより合わせている。

さらに、もう一匹、外壁とエアコンホースの隙間を営繭の場に定めた幼虫もいた。

葡萄の葉っぱを食べていたコスズメの幼虫は土にもぐってしまったが、こちらのキバラケンモンは継続して観察できそうだ。
もしかしたらまだ写真でしか見たことがないゴージャスな成虫に会えるかもしれない。
春が待たれる。