森林・田畑に野っ原と、のどかな環境にある我が家。
春・夏・秋の季節、庭を眺めるとひらひらと蝶が舞っている。
春から初夏にかけて飛来した蝶の記録である。
羽化したて?飛ばないヤマキマダラヒカゲ
ウッドデッキでガリガリものを引っ掻くような音がする。窓から覗くと、ソックスが外ケージの檻の間から精一杯手を伸ばして懸命にウッッドデッキの床に爪を立てていた。真剣そのもののソックスの視線の先にいたのがこのヤマキマダラヒカゲだ。
サトキマダラヒカゲとの見分けが難しいチョウだが、おそらく「ヤマ」だ。サトキマダラヒカゲは平地住まい、ヤマキマダラヒカゲは山地住まいが多いのだ。
この蝶は人が近づいても飛び立つ訳でもなくじっとしていた。羽化したてだったのかもしれない。
顔を隠したフタナミトビヒメシャク
頭がない!?なんで???と不思議に思いながらの撮影。
羽を広げてとまっているのでこれは蛾なのだ。
地味である。でも、じぃっとみていると趣深い。釉薬が溶けて思わぬ変化を見せた焼き物の肌のようだ。
はためくネオンカラー:アオスジアゲハ
フタナミトビヒメシャクが侘び寂びの世界なら、こちらはきらめく夜のネオンだ。
あちらこちらと庭中の花の間をせわしなく2匹でパタパタ飛び回っていた。めまぐるしくはばたくたびに蛍光色の青が瞬間的に瞬くのだ。
ふわっと飛び去ったナミアゲハ
こちらは比較的、ゆったりとした飛翔をしていたナミアゲハ。
あちらの花こちらの花と行き来しつつも、穏やかな羽ばたきだ。
この赤い花の蜜を吸った後、体に重さが全く無いかのようにふわっと浮いた。
渋い味わいのヒメウラナミジャノメ
小型の蝶だ。ジャノメ蝶は同じような色合いだが文様からヒメウラナミジャノメと判断。裏羽の縮緬のような細かな波紋が「ウラナミ」の由来だろうか。
ローズゼラニウムLOVEのモンキアゲハ
満開のローズゼラニウムを独り占めして、この株のほとんどすべての花の蜜を吸い尽くす勢いだったモンキアゲハ。かなり長い時間ひらひらと優雅な舞を見せてくれた。
モンシロチョウは大抵群れ飛ぶのだが
モンシロチョウは子供の頃から知っている蝶だ。いつもは数匹でくるくるダンスのような飛翔を見せる。
この時は1匹だけ、ノウゼンカズラの葉に止まっていた。何をしていたのだろう?
モンシロチョウの幼虫のご飯はアブラナ科の植物だ。そういえば、春先に祝蕾(子持ち高菜)を青虫と分けあって食べたんだった。きっとこの庭で成虫になったモンシロチョウもいるのだろう。
ベニシジミ、絣の着物を着た子供のような愛らしさ
ギシギシやスイバがベニシジミの幼虫の食料だとか。どちらもありますこの庭に。
この日はバラ(エル)の花の上でひとやすみ。
飛行機形態のセセリチョウ
セセリチョウは複数回撮影している。白い紋の並びからおそらくオオチャバネセセリと思われる、が、確信はない。
とまっている時の羽の形が、紙飛行機みたいだ。頭でっかちなところもユニークな蝶だ。光の加減か頭や背中が青みがかって見える。
オオチャバネセセリの幼虫はイネ科の植物を食べる。
エノコロクサもメヒシバも生えているんだな。
優美な黒いドレス:オナガアゲハ
春から秋にかけて咲き続けるルリマツリは蜜を吸う昆虫たちに大人気。オナガアゲハはよっぽどお腹が空いていたのか、人間がいてもおかまいなしに吸蜜中。
大きな黒い羽をロングドレスの裾のようになびかせるエレガントな姿を見せてくれて感激だが、こんなに無防備に近づくようでは簡単に捕獲されるぞと心配になる。
ホウジャクの見事なホバリング
蜂かと思った。
ブンブンと凄まじい羽音を立てるホウジャクはハチドリのようにホバリング飛行で吸蜜する。蜂雀と書いてホウジャクと読む。羽音は蜂で姿は雀に似ているのだ。
羽ばたきがあまりに早すぎて、iPhoneでは捉えきれない。
長い口吻を素早く出し入れしながら、この花あの花とめまぐるしい早さで移動する。
ホウジャクは昼間の蛾だ。この撮影も真昼間。上のオナガアゲハの5分後にこのルリマツリにやってきた。
以上が、画像で振り返る春から初夏の蝶たちである。(常連のツマグロヒョウモンは別ページにて紹介済みだ。)
関連リンク>>ツマグロヒョウモン雨の中