強烈なインパクト、イモムシ・毛虫
ものすごい勢いで葉っぱを食べ尽くすイモムシたち。困ったちゃんたちであるが、可愛いのである。
今年の庭に現れた色や大きさで驚かせてくれた愛すべきキャタピラーたちをご紹介。
虫が苦手な方はこのページを絶対に見ないでください。
5月:漆黒にオレンジのトゲトゲ!ツマグロヒョウモン現る
冬から庭のあちこちを彩ってくれたパンジーがヒョロヒョロと間延びしてきたので、そろそろ片付けようかという時期に現れたのがこのなんとも一見「いびしい(大分弁で生理的に気持ち悪いという意味、虫がうじゃうじゃいたりしてゾッとするようなときにも使う。)」イモムシ。
毒々しい色と形ではあるが無毒。ツマグロヒョウモンという豹柄のきれいな蝶の幼虫なのだ。十数匹は目視。
パンジーをそのままにして置いたら、ほとんどの葉を食べ尽くした後、姿を消した。
庭には野生のスミレもあちらこちらに生えている。ご飯を探して移動したのだ。
9月ツマグロヒョウモンの成虫?
下は、9月にバラの葉裏に止まっていた蝶。確信はないがツマグロヒョウモンっぽい。
もしそうなら、見えている羽の裏側は地味だが、表側は淡く明るいオレンジ色に豹のような黒点を配した美しい蝶なのである。
こちらも5月、愛嬌者のマイマイガ
ゴージャスな毛皮をまといオレンジ色ヘルメットをかぶった毛虫がウッドデッキに張ったワイヤーを綱渡りしているのに気がついた。
毒虫に違いないと遠巻きに撮影。調べて見るとこの成長段階のマイマイガには毒がないらしいが、アレルギー体質なので用心用心。
9月:10センチ超えの超迫力!黄色い大きな芋虫:クロメンガタスズメ
白式部の葉をバリバリ食しているところに遭遇。しかも2匹。
真っ黄色のボディに補色の紫を配した、指ほどもある太さのイモムシ。
さぞかし派手な色の蝶になるのではと調べて見たらクロメンガタスズメという大型の蛾。
「羊たちの沈黙」という映画のポスターで主人公クラリスの口を覆うように羽を広げている、ドクロの模様を持つ蛾、あれがヨーロッパメンガタスズメ。
日本にはメンガタスズメとクロメンガタスズメの2種がいる。
シッポがくるりんと強く巻いているのはクロメンガタスズメということだ。
クロメンガタスズメも成虫になると背中に灰色のドクロ模様が浮かび上がる。幼虫は個体で色の差があるらしいが、我が家のイモムシくんは2匹とも同じような蛍光色。同じお母さんから生まれたのかもしれない。
上の画像のグッと持ち上げた後頭部が可愛く見えてくるのは私の感覚がおかしくなったのか・・・?
翌日、1匹が姿を消した。土に潜ったのか?
残りの幼虫は雨の日もモグモグ、ひたすらモグモグ。
9月23日を最後に残っていた1匹も姿を消した。
10月になり、白式部のすぐ隣に植えてある紫式部はなんとか実をつけた。
集中的に2匹の幼虫に食事を提供していた白式部はさすがに実をつけることができなかった。
あの2匹はちゃんと蛹になったかな?来年ドクロ模様の大きな蛾に会えれば嬉しいのだが。
多分コスズメ、ブドウを齧る
クロメンガタスズメを見つけたのと同じ日、鉢植えのぶどう(安芸クイーン)にもイモムシ発見。こげ茶に黄色の目玉模様をつけたこちらも見事なボディの持ち主。
調べたけれど、どの蛾の幼虫か確信が持てない。スズメガの一種のコスズメだと思われる。こちらの尻尾はするんとまっすぐ。
派手派手だったクロメンガタスズメとは対照的に、同系色でまとめたシックな配色。
こちらも数日間観察できていたのだが、いつの間にか姿を消した。
戦闘機っぽいセスジスズメ
コスズメのいるぶどうの植木鉢の上、ウッドデッキの屋根の下、なんともカッコイイ蛾が止まっていた。セスジスズメだ。
至近距離から撮影するも、動じずにいる。
蝶も綺麗だが、蛾の構造的にがっしりして見えるところがいいのだ。
セスジススズメは成虫も見応えがあるが、幼虫もなかなかスタイリッシュ。
下の画像は、7月に撮影したセスジスズメの幼虫。黒いボディのサイドに連続した大きな目玉模様。まだまだ大きくなる途中だ。
イモムシ、ケムシ、カイコの思い出
大人になって、イモムシ、ケムシを素手で捕まえることはないが、子供の頃は何も考えずに手に乗せていた。毒があったり噛んだりする虫がいることに思い至らなかったのだ。毛虫はふわふわ毛よりバサバサ毛の方が好みだった。
小学生の頃2年くらい福島県に住んでいた。桑畑が道の両側に広がり、友達の家ではカイコを飼育していた。納屋の2階がカイコ室になっていて、桑の枝がたくさん準備されており、蚕棚に置かれた桑の葉が食い尽くされて棒状になると、新しい桑の枝に取り替えていく作業が面白くて、よく遊びに行っていた。
時々カイコ棚から落っこちて床を歩いているカイコを見つけては拾い上げて棚に戻した。すべすべひんやりした白いイモムシはとても可愛かったのだ。
カイコたちの咀嚼音がシャワシャワと頭を包み込むように響くのに、なぜか静けさを感じた覚えがある。