草丈1メートル超えの圧倒的存在感

去年、ロゼットで越冬したスイバの株が、春を迎えて花をつけた。深葉の深い緑。すっくと立ち上がる力強い茎。夕日にキラキラと輝くシャンデリアのような花穂。
スイバは手間いらずの観葉植物なのである。

春を迎えてスイバの茎が一斉に立ち上がる

ほうれん草みたいにおいしそうな葉のスイバが西の庭にある。以前、別の場所に花壇を作る際に土から選り分けた砂利を、10センチほどに盛り上げた場所だ。その上にホームセンターの処分品売り場で見つけた割れた平石を敷き並べているのだが、そのすきまに生えてきた。

4月を前にして、行くつもの茎が垂直に伸び上がり始めた。

茎を立ち上げ始めたスイバ
いくつもの茎が一斉に:20200331撮影

スイバの株元を覗き込むと、茎の赤いラインが際立って、ギリシャ建築の列柱みたいだ。

スイバの赤い茎
力強く赤い列柱が並び立つ:20200410撮影

4月中旬、この時点で既に1メートルほど。

花穂を何本も立ち上げる酸葉の大きな株
スイバを観葉植物として愛でてます:20200415撮影

下から見上げたスイバの花。

空に向かって伸び上がるスイバの花穂
空に向かって手を広げているよう:20200421撮影

スイバの花はシャンデリア

スイバは雌株、雄株がある。西の庭のこの大きなスイバは雌。花は濃いピンク色に色づいた。

鮮やかに赤く染まったスイバの花穂(雌株)
愛らしいピンク色に染まったスイバ(雌花):20200410撮影

東の庭にはスイバの雄株があって、こちらの花穂は海中から立ち上る泡の粒のように見える。こちらは小柄で1メートルに達していない。

スイートバイオレットとシロタエギクとスイバ(雄株)
東の庭のスイバ(雄株):20200421撮影

やがて西の庭のスイバの花穂に種ができた。団扇みたいに平べったい。

夕陽に透けるスイバの花穂(雌株)
キラキラ輝くスイバの穂:20200428撮影

緑と白とピンクに塗り分けられた種は夕日が透けるほど薄い。
今、1.3メートルほどの高さで空に向かって立っている。強い風を待ってハラハラと種がここから舞い広がるのだ。

夕日に沈むスイバの花穂(雌株)
陽に透ける淡い影:20200428撮影

あまり増えてもらっては困るスイバなのだが、綺麗すぎて抜いてしまう決心がつかないのだ。

スイバの訪問者:ベニシジミとジョウカイボン

スイバによくやってくるのがベニシジミというシジミチョウ。花にではなく、葉にとまっていることが多い。この蝶の幼虫はスイバを食べて育つのだ。

スイバにやってきた蝶(ベニシジミ)
卵を産みにきたのかな?:20200422撮影

幼虫はもちろん芋虫なのだが、朱色を帯びてとても美しいらしい。葉っぱを一枚一枚ひっくり返して探していたら、卵を発見した。

スイバの葉裏のベニシジミ(蝶)の卵
ベニシジミの卵発見!:20200422撮影

この卵の孵化が楽しみで、葉っぱをめくるのが最近の日課の一つになっている。

なので、時々思わぬお客にも遭遇。下画像はジョウカイボン。カミキリムシに似ているが、肉食だ。

スイバの葉裏のジョウカイボン
茶色いハートを連ねたような足先が可愛いのである:20200425撮影

茶色いコートとブーツがトレードマーク。この季節のお馴染みさんである。