天気の良い午前中の羽化

庭に出ればほぼ日ツチイナゴに遭遇する我が家、それでも羽化に立ち会うのは初めてのこと。脱皮途中のところを発見し、翅が伸び整うまで1時間かかった。

10月10日、時折雲がかかるものの暖かな日差し。午前10時46分に最初の写真を撮っている。以下の画像はその直後に撮影した動画からのスクリーンショットだ。

日向ぼっこ中の成虫ツチイナゴに混じって

建物南側のウッドデッキの柱、地上から2.5メートルほどの高さにいる別の個体にカメラをむけて、直ぐそばで羽化中のツチイナゴに気づいた。

道路からは丸見えだが、屋根があるため空からは死角だ。この葡萄に常駐していたオオカマキリは、この前日を最後に姿を見ていない。

枝に逆さにつかまっての脱皮だ。

葡萄の枝にぶら下がって羽化するツチイナゴ
20201010撮影:後ろ足はまだ出ていない

全体重を抜け殻に預けて

モゾモゾと微動を繰り返しながら脱皮するツチイナゴ。下画像では長い後ろ足も半ば抜けている。中身のない抜け殻の足に全体重を預けている状態。時折風で葡萄の葉が揺れる。

一番先に抜けた前脚を、万歳するかのようにヒョイと広げた瞬間だ。

ツチイナゴの羽化(前足をぶらぶら)
3分経過:前脚を開いた

後ろ足を抜け殻から引っこ抜くところ。足が歪曲している。まだ柔らかいのだ。

ツチイナゴの羽化 もう直ぐ足が抜ける
約10分経過:ようやく後ろ足が抜けそうだ

この羽化を観察するかのように、ツチイナゴの成虫が同じ枝にいる。

前屈し新しい前足で枝を掴み、抜け殻を振り落とす。

撮影開始15分、体を前屈させ、前脚2本で葡萄の枝にしがみつくツチイナゴ。

ツチイナゴの羽化(お尻の先を抜く)
約15分経過:お尻を振って殻を脱ぐ

ガッチリ枝を掴むと左右にお尻を振って、抜け殻を枝から引き剥がし振り落とした。

ツチイナゴの羽化(殻を脱ぎ捨てる)
16分経過:お尻を振って振り落とした

脱ぎたてホヤホヤ、ツチイナゴの抜け殻

写真の個体が脱ぎ捨てた抜け殻。
翅も足のトゲも、産毛?もある。息で飛ぶほど薄く軽い。

触っても硬さは感じなかったが、本体が抜けた殻の足で体重を支えるのだから、足のトゲだけは堅かったのかもしれない。よく観察すべきだった。

ツチイナゴの抜け殻
産毛?までしっかりあるのだ:20201010撮影

頭を上にして翅を伸ばす

抜け殻を落とした後、モゾモゾと危なかっしく方向転換。今度は頭を上にして翅に体液を送り込む。

ツチイナゴの羽化 (頭を上に方向転換)
17分経過:枝を掴んでくるりと回った

インターバルを置いて羽を左右に開くように力む感じ。
クシャッと縮んでいた翅が伸びていく。

ツチイナゴの羽化(羽を伸ばしている)
25分経過:別の個体がやってきた

直ぐ下にいた成虫が、何かを確認するように近づいてきた。

羽化の最中、別のツチイナゴが急接近
36分経過:急に近づいてきた

数分後、興味を失ったように離れていく成虫。何だったんだ?

ツチイナゴの羽化(翅を伸ばす)
40分経過:成虫が離れていった

↓あらかた翅が伸びたところで、後ろ足をグイッっと伸ばし、太腿?で挟み撫でるような仕草を繰り返すうちに、翅が見慣れた形に畳まれ、整えられていった。

ツチイナゴの羽化(伸びきった翅を閉じる)
50分経過:後ろ足を畳んだり伸ばしたり

後ろ足と翅の硬化を待つ

撮影開始から1時間後、翅は伸びたが、後ろ足は畳んだまま枝を掴んでいない。まだ硬化していないのかも。

ツチイナゴの羽化(後ろ足はたたんだまま)
1時間経過:前足だけでぶら下がったまま

上の画像から10分後、ウッドデッキ脇の道路を車が通過し、風圧で葡萄の葉が揺れた。驚いて枝を掴みなおした拍子に後ろ足を使うところを確認。

羽化したばかりのツチイナゴのそばに別のツチイナゴが飛んできた
1時間11分経過:音に驚いて、後ろ足で枝を掴んだ

右の個体は車が通過したその同じタイミングで、いきなり出現。どこからかこの場所に飛びついたのだ。(ビックリした)

約1時間後、羽化したツチイナゴはまだこの枝にいた。羽化の開始から、成虫としての活動を始めるまでに最低2時間は要するということか。

夕方、思い出して同じ場所を見にいったが、もちろんどこかへ移動していた。きっとご飯を食べにいったのだ。