何かあった?茫然自失のニホントカゲ

水田や用水路が近いこの庭にはカエルが多い。昨年からは特にヌマガエルが増えた。それにニホントカゲも。すると当然、彼らを獲物とするヘビがやってくる。

フリーズしたニホントカゲ

この日、玄関引き戸をガラリと開けた途端、右の視界の隅に長い紐のようなものが見えて、それがシュッと地を走って消えた。

外に一歩踏み出したまま、何だ?と立ち止まった足元でぴょんと跳ねたのはこの小さなヌマガエル。

正中線のあるヌマガエル
足元でぴょん:20230731撮影

カエルを撮影して視線をあげたところに、今度は右方向から駐車場の真ん中に走り出たトカゲが目に入った。尻尾のない大人のニホントカゲだ。

コンクリートの駐車場にいる尻尾の切れたニホントカゲ
走り出てピタリと静止した:20230731撮影

かなりそばまで寄って撮影したけれど全然動かない。
ニホントカゲは逃げ足が早くて、冬眠明けで動きが鈍い時期以外は近づけないのだが。

尻尾をなくしたニホントカゲ
駐車場のまん中でフリーズ中:20230731撮影

そもそも、警戒心の強いニホントカゲが人の前に走り出るところからして変である。どうしたんだろう?

疑問を持ちつつも、そっと離れた。撮影させてくれてありがとう。

プロパンガスのボンベの陰に尾がチラリ

今度は、地を走って消えた紐の正体を見にいく。するとプロパンガスのボンベの陰に蛇の尾を目撃。特徴のあるストライプ、シマヘビだ。

この後、尻尾の横に頭が出てきたと思ったら、人間の気配を感じたのか、すぐにスルスルと後退、尻尾も引っ込めてしまった。

ガスボンベの陰に消えるシマヘビの尻尾
長い尻尾が消えていく:20230731撮影

だが、ここは上からも覗くことができるのだよ、シマヘビくん。

プロパンガスの背後、壁がL字になった隅に身を寄せているのが見えた。まだ、それほど大きくはないみたい。

物陰に隠れているシマヘビ
やっと顔が見えた:20230731撮影

この庭でシマヘビに出会うのはこれで2回目。

昨年10月にフェイジョアの株元を囲んでいた花壇ブロックを動かしたらその下にシマヘビがいたのだ。
尻尾を閃かせて一瞬で消える逃げっぷりは見事なものだった。人間の方は驚きのあまり後ろにひっくり返っていたが。

あの時の蛇かな?通りすがりの蛇じゃなくて庭に住んでいるのかな?君は毒のない蛇だから庭を共有できると思うよ。

シマヘビの狩りを邪魔したかもしれない

このガスボンベの近くにはトカゲたちが地中に出入りする穴があって、頻繁に彼らを見かけるエリアであることを思い出し、このシマヘビはトカゲを狙ってやってきたのでは?と思い当たった。

先ほどのトカゲの写真を拡大してみると、傷口が新しいようである。蛇と遭遇して尻尾を自切したのかも。

尻尾が切れたニホントカゲのお尻
尻尾が切れたばかりのようだ:20230731撮影

想像だが、シマヘビがニホントカゲを正に喰らわんとする瞬間に私が外に出てきて、シマヘビは狩りを放棄して俊速で逃げ、トカゲは危機一髪で命拾いという展開か。

またしても私はシマヘビの邪魔をしたのか。でも、トカゲにとっては幸運だったか。

庭の草薮には生き物がいっぱい

カエルが増えたのには理由があって、建物を挟んだ我が家の2つの庭はどちらも今夏草に覆われている。

下画像は夏真っ盛りの西の庭。手前に写っているフェイジョア以外は自然に生えでた植物たちで、朝顔ぐらいしか名を知らない。こうなると厳しい日差しも地面までは届かない。

庭の草むら
一応、庭である:20230817撮影

ここにヒョイと足をふみこむと、ヌマガエルがぴょんと飛び出す。ここでは今回のシマヘビの他に小さなアオダイショウを見た。

小さなヌマガエル
今年生まれのチビガエルが至る所に:20230819撮影

こちらは、すでに草薮と化している東の庭。朝顔やヘクソカズラ、ヤブマメなどのツル植物に覆われつつある。
こちらでは数年前にヤマカガシを2度目撃。たぶんマムシも来てるんじゃないかな。

草薮の庭
庭に出るには長靴が必須:20230812撮影

だから、庭に出る時は冬を除いて常に長靴を履く。

草刈りをしないのは、そこに生き物が住んでいるということもあるけれど、植物が自在に作り出す緑一色の光景が美しいから。

草薮って綺麗じゃないか?