住み着いた木によって趣が異なる蓑

東の庭にシャシャンボとリンゴの木があって、それぞれに数匹のミノムシが住んでいる。
例年、たくさんのチャミノガと、少数のオオミノガが庭にぶら下がる。今盛んに活動しているのはチャミノガたちだ。

シャシャンボのチャミノガ

一昨年地植えしたシャシャンボはまだ1メートル足らず大きさ。新枝の赤い茎と鮮やかな緑が今とても美しい。

シャシャンボは日本の山野に自生するブルーベリーの親戚なのだが、そばにあるブルーベリーは実をつけているけれどシャシャンボは花をつけなかった。

シャシャンボの葉
鮮やかな赤と緑が綺麗なシャシャンボ:20230510撮影

6月現在、この木に4匹のミノムシが住んでいる。もしかすると花をつけないのは君たちのせいなのかな?

シャシャンボのミノムシ

下画像は、枝を噛み折って蓑材料を調達中のミノムシ。背負っている蓑の一点を枝に固定して前足で枝を抱えている。

シャシャンボの枝を噛み切るチャミノガ
ミノの材料切り出し作業中:20230416撮影

人間の気配に敏感で、いつもすぐに蓑の中に隠れてしまうチャミノガだが、苦労して噛みおった枝を落としてなるものかと、こちらを無視して作業を継続している。蓑にはまだ新しい切り口の枝がすでに一本くっついている。

シャシャンボの枝を噛み切ったチャミノガ
ミノの一箇所を枝に固定している:20230416撮影

シャシャンボは昨年伸びた枝に花がつくという。
ミノムシたちが花芽のついた枝を切り落としているとすれば、花が咲くはずはないな。

下画像は枝の切り口をきれいに揃えた職人技が冴える蓑。見事だ。

ほぼ枝だけで作られたチャミノガの蓑
切り口をきれいに揃えるこだわりの蓑:20230522撮影

彼らは旧枝を蓑の材料に、新葉を食糧にしてここに住んでいるのか。

シャシャンボの花が咲かないのは残念だが、ミノムシたちがかじったぐらいで枯れはしまい。
木が大きくなれば自然と花も咲くだろう。

りんごのミノムシ

リンゴの木に住んでいるチャミノガがつくる蓑は少し趣が異なる。

この木は矮性台木に接木されたグラニースミス。毎年花をつけるようになったのだけれど、相棒のローズパールが咲かない。
だから花見だけ楽しんでいる。

今、この木に6匹ほどいるチャミノガの外装は枝少々に葉が多め。リンゴの枝は噛み切りにくいんだろうか?

リンゴの葉にぶら下がったチャミノガ
この木に6匹ほどぶら下がっている:20230519撮影

この時期、ミノムシたちはかなり活発に動き回っている。
蓑を拡張する材料集めに奔走しているのか、落ち着ける場所を探しているのか、美味しい葉っぱを探しているのか。

体のほとんどを蓑に収めたまま、数歩進んではヒョイと蓑を背負い直すので、ヒョコヒョコとミノが揺れて目につくのだ。

リンゴの枝を登っていくチャミノガ
ミノを背負って器用に登っていくチャミノガ:20230601撮影

時にはミノムシがウッドデッキの床を歩いていることもある。その個体だろうか、翌日にはウッドデッキに誘引している葡萄の葉にぶら下がっていた。彼らが食べる植物の範囲はかなり広いようだ。

下画像ではいつもはに隠れている頭がひょっこり。君たちはこんな顔をしていたんだな。

蓑から顔を出したチャミノガ
鋭い爪をしているチャミノガ :20230522撮影

そろそろチャミノガは蛹化するらしい。雄はモフモフの蛾になって蓑を脱ぎ捨て、雌は蓑の中で足のない芋虫になるという。

まだ、チャミノガの成虫をみたことがない。雄に会えたら嬉しい。メスに会うことは諦めよう、蓑を剥ぎ取るのは嫌だから。

今年はオオミノガがいない

隣県では絶滅危惧種に指定されているオオミノガはこの庭でも少数派。それでも毎年一つは大きな蓑が新たな場所に出現するので、細々とながら世代交代が継続していた様子。でも、今年は見ていない。

この雨が終わったら、本腰を入れて探してみようか。