ラベンダーからコムラサキに強制引越し

毎年庭に現れるクロメンガタスズメの幼虫である。今年の初遭遇は11月、ラベンダーの葉をかじっている小柄な幼虫を見つけた。

もしかしてノウゼンカズラの葉から落っこちた?

今までにこの庭に現れたクロメンガタスズメの幼虫が食べた植物は、白式部、ミニトマト、ノウゼンカズラ。どれもこの芋虫の食草リストに登場する植物だ。そして今年はリスト上で見たことがないラベンダー。

「すごいな、ハーブまで食べられるのか!」と、この昆虫の好き嫌いのなさに驚嘆である。

ラベンダーを食べていた芋虫(クロメンガタスズメ幼虫)
まだ小さなクロメンガタスズメの幼虫:20211105撮影

翌日、ラベンダーの茂みに会いに行くと、昨日と同じように枝につかまってじっとしている。なんだか元気がない。ご飯も進んでない様子。ラベンダーを好んで食べているわけではないのか?と思い始めた。

このラベンダーの脇にはノウゼンカズラがある。11月に入り葉のほとんどは散り落ちている。ひょっとしてこの幼虫、ノウゼンカズラの葉と一緒に地面に落っこちたか。

枯れ始めたノウゼンカズラの葉
落葉が進むノウゼンカズラの葉:20211106撮影

この時点で、ノウゼンカズラは木の上部に変色の進んだ葉がチラホラと残っているのみ。幼虫は好みの食草に辿り着けず、手近なラベンダーで飢えを凌いでいる可能性もある。

まだ葉を残すコムラサキに緊急避難

試しにクロメンガタスズメの好む植物に移してみることにした。

ただ、ノウゼンカズラの葉はガビガビで硬そうだし、風が吹くと今にも散ってしまいそうだ。東の庭に移植したコムラサキを見に行くとまだ十分葉が残っている。幼虫の引越し先はコムラサキに決定である。

幼虫のつかまっているラベンダーの枝を折り取って運びコムラサキの枝に乗り移らせた。

コムラサキの枝に移動するクロメンガタスズメの幼虫
コムラサキの枝に引越し:20211106撮影

1時間後に様子を見に行くと、葉をかじり始めている。初めて食べるコムラサキの味、美味いかな?

コムラサキの葉を食べるクロメンガタスズメの幼虫
コムラサキに移住して1時間後:20211106撮影

数時間後、食が進まぬようならラベンダーに戻すことも考えつつ、再び芋虫の様子を確認。
もりもり食べているようである。
幼虫のそばには小柄なツチイナゴが1匹、なんだか賑やかなコムラサキである。

コムラサキの枝の芋虫(クロメンガタスズメ)とバッタ(ツチイナゴ)
もりもり食べているクロメンガタスズメのそばにツチイナゴ :20211106撮影

移動翌日のクロメンガタスズメ、活動休止中

コムラサキに引越した翌日、どうも気になって見にいくと、下画像のように静止していた。葉は結構な量を食べた痕がある。

コムラサキの枝で休息中の芋虫(クロメンガタスズメの幼虫)
ちゃんと食べているようだ:20211107撮影

脱皮の準備かな?コムラサキが落葉する前にサナギになれるかな?

そして昨日のツチイナゴは・・・いました。コムラサキの上部の枝で日光浴をしていた。

11月コムラサキの枝先で日光浴中のツチイナゴ
枝先に移動して日光浴中のツチイナゴ :20211107撮影

近くでリンゴケンモンとイチモンジカメムシ発見

この日、コムラサキから3メートルほど離れた梅の幹で、別の芋虫に出会った。リンゴケンモンだ。前にリンゴの木で見かけたが、梅も同じくバラ科の樹木。梅育ちのリンゴケンモンだ。蛹化する場所を探しているのかもれない。幹の割れ目がベストポジションなのだ。

そして、赤いラインも鮮やかなイチモンジカメムシが1匹。こちらも越冬準備中かな。

梅の幹にイチモンジカメムシとリンゴケンモン
梅の木の幹にて:20211107撮影