ホシホウジャク、ホシヒメホウジャク、そしてたぶんシモフリスズメ
庭のあちこちでヘクソカズラが咲いている。臭い臭いと言われるこの植物、触れなければ匂わない。それになかなかかわいい花をつける。我が家がこの草の繁茂を許容している理由は、小さな花の愛らしさと、この植物を食べて育つスズメガの幼虫を愛でるためだ。
可憐なヘクソカズラの花
レモンにリンゴ、ナンテンにツゲ、そしてウッドデッキの葡萄に至るまで、ヘクソカズラにもっさりまきつかれている。他の植物を足蹴にして伸び上がり、燦々と光を浴びて咲く花は、赤い地肌に白い粉をまぶしたような色合いで、可憐である。臭いはまだ嗅いだことがない。葉を揉んだりすると強烈な悪臭が鼻にくるそうだが、あえてそうする必要はあるまい。
この花によく似た形のランプシェードを見たことがある。蕾はイルミネーション電球みたいだ。
ホシホウジャク幼虫発見
小粒のフンがウッドデッキ上にパラパラ散っているほぼ真上で、黄緑色の小柄な芋虫を見つけた。ホシホウジャクの幼虫だ。スズメガの一種で、成虫はホバリングの名手。昼間によくブンブンと蜂のような羽音を立ててルリマツリで吸蜜している。
幼虫の頭の近くにある玉はヘクソカズラの実。冬になると黄土色になり真珠みたいに艶ピカになる。
この時、この芋虫の頭上にオオカマキリの幼虫もいて、このあと食べられてしまったかもしれない。
同じ日にもう1匹。こちらはリンゴの木に巻き付いたヘクソカズラに取りついている。むっちりとした肉付き。そろそろ蛹化かな?
先年に見たホシホウジャクの幼虫は渋い黄色がかった色をしていた。今年のトレンドは黄緑色のようだ。
枯れ葉みたいな茶色い芋虫:ホシヒメホウジャク幼虫
もう一種、好んでヘクソカズラを食べるホウジャクがいる。下画像のホシヒメホウジャクの成虫も、ホシホウジャク同様ホバリングの名手だが、まだ会ったことがない。
この芋虫、遠目から見ると枯れ葉のようだ。秋の風情だな。
そしてこの日もやはりオオカマキリを発見。今度は成虫だ。先日見かけた個体が脱皮したのかな?
9月に入り、葡萄に日参していたアシナガバチたちのハンティングは終息したようだが、繁殖期に入ったカマキリたちが活発に活動中。
黄色いホシホウジャク幼虫
後日、黄色く色づき始めた葉のような色彩のホシホウジャクの幼虫を見つけた。
この幼虫がとりついているヘクソカズラが萎れているのは、私がうっかり根を切ってしまったから。
慌ててリンゴの木に巻き付いているヘクソカズラに引越しさせた。
改めてこの芋虫を見ると、黄色い体表に紫をおびた茶色のラインが走り、とても美しい。
時間を置いて戻ってみると、しっかり食事を開始していた。
ところで、上の画像を編集中、ホシホウジャクがかじっている葉に、もう1匹昆虫がいることに気がついた。黄緑色の翅の小さな昆虫が葉にぴったりと身を伏せている。
どうやら、ミドリグンバイウンカという虫のようだ。もしそうなら、透き通る羽に走る翅脈がとても美しい昆虫なのだ。芋虫ばかりを注視していて失礼なことをした。どうかもう一度会えますように。
おそらく、シモフリスズメ
こちらはレモンに巻き付いているヘクソカズラを引き剥がしている最中に見つけた。上記の2種の芋虫は小柄なスズメガだが、こちらはかなり大きい。シモフリスズメの幼虫だと思われる。
この芋虫も別の草に巻き付いているヘクソカズラに移ってもらった。
翌日、思い出してこの芋虫を探してみると、リンゴの木に勝手に引っ越してムシャムシャ食べている。
どうやら、幼虫につかまらせた草とリンゴの間に、ヘクソカズラのブリッジがかかっていたらしい。
シモフリスズメではないかもしれない
シモフリスズメはヘクソカズラより、リンゴが好きなんだな。と思ったところで、この昆虫、何を食べるのか気になって調べてみた。
すると、リンゴはもとよりヘクソカズラも食草リストにない。このリンゴの木の脇に生えている、シソはリストにあり、幼虫が移ろうと思えば到達できるはずなのだ。
ビジュアルでシモフリスズメだと思ったのだけれど、別のスズメガなんだろうか?確信が持てなくなった。
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