太陽と土と雨水だけでOK!
夏になると、強烈な西日を物ともせずに俄然元気一杯咲き始めるのはノウゼンカズラとオシロイバナ。
旺盛に茂る雑草の緑の中にノウゼンカズラのオレンジやオシロイバナの黄色や赤がとりどりに散らばって、夏の庭はここだけ活発な印象になる。
伐採されていた?ノウゼンカズラ
ノウゼンカズラとオシロイバナは西の庭にもともとあった植物。ただ、ここに引っ越してきた時、オシロイバナの群生はあったが、ノウゼンカズラは全く見えなかった。
2015年冬の写真を見ると、11月下旬にかかわらずまだオシロイバナが頑張りを見せている。どうやら左上にちょんと写っている地面に刺した木の杭のようなものがノウゼンカズラらしい。剪定というより伐採されていた感がある。
翌年2016年の夏にオレンジ色の花が咲いて、初めてこれがノウゼンカズラだと認識したのだ。
このノウゼンカズラは奥行き1メートルほどの細長い植栽と駐車場の接するキワになぜかしら植えられていて、周りにこの植物がすがる対象は一切なく、今でも自力で立ち上がる高さのみで茂っている。
幹の太さはなかなかのもの。この家の最初のオーナーが植えたものではないらしいが、十数年はここで生きていると思われる。道路のアスファルトや駐車場のコンクリートに覆われた土の湿り気を求めて、広く根を張っているのだろう。この西日の庭で雨水と日光だけで葉を茂らせ花を咲かせる。
装飾的な葉の造形
春、つるんとした鞭のような枝から展開する葉の形はとても装飾的だ。ニョキニョキ出てきたこの新しい枝の先に房咲きの蕾がつくのだ。
ノウゼンカズラの花や葉が何かに食べられたところをまだ見たことがない。一説によると毒があるとか。
中国から薬草として伝来したものだから、薬効=毒ということか。
垂れ下がった枝の先に着く房咲きの蕾は上向きにカール。写真に黒アリが一匹写っている。ノウゼンカズラを観察していると大抵ちょこちょこ歩く彼らの姿がある。
花はポトリと落ちる
下の画像が2019年の初花である。我が家のノウゼンカズラはよくあるオレンジ色、お向かいの家では赤いノウゼンカズラが咲いている。
肉厚のラッパのような形の花はそのままポトリと落ちて、地面に積み重なる。
ノウゼンカズラのトロピカル感
マンゴーみたいな色と、この花が咲く季節の空の色との取り合わせが南国ぽいのだろうか。密に茂った艶のある葉がジャングル感を醸し出すのか?
我が家ではいつでも剪定
ノウゼンカズラの硬い枝は四方八方に広がって、駐車場へせり出したり、バラやラベンダーへの日差しを遮る勢い。
枝の向きを変えようと動かした拍子に、思わぬところでボキッと折ってしまうこと数回。そんなぞんざいな扱いにめげることなく春になると葉を出し花をつけてくれるので、今では季節に関係なく、その時々に剪定している。
庭に植えてはいけない?ノウゼンカズラ
地下茎を出して増えるため、庭に植えてはいけない植物リストに入っているようだ。確かに剛健で生育旺盛な我が家のノウゼンカズラ。駆除が必要になるほど繁殖力旺盛だとは知らなかった。
慌てて雑草をかき分けて植栽エリアを確認してみたが、今のところ新しい株は無いようだ。
オシロイバナ
引っ越してきたときに、ノウゼンカズラのある細長い植栽エリアを埋め尽くしていたオシロイバナである。遮るもののない太陽の光を浴びて、垣根のようにこんもりと茂っていた。花の時期が長く、暑さにも日照りにも強く、種から簡単に育てられるし、花もなかなか可憐なのだ。
芋みたいなオシロイバナの球根
このエリアにバラを植える際、土を掘り返したら、根が芋のような球根になっていた。
おそらくいくつかは取り残すことを見越して、掘れるだけの球根を掘り出したが、この夏も幾株は大きく茂り元気な花を見せている。
オシロイバナの複数の花色
我が家のオシロイバナは濃いピンクと黄色の2色展開。
上の写真の花は一つの株にピンク一色と、黄色とピンクの複色の花を咲き分けている。
花色のバリエーションには法則性があるらしい。そんなことを聞くと毎日花を観察したくなってくる。
別の株はシンプルに黄色い花の一色展開。こちらの花は雄しべの色まで黄色なんだな。
オシロイバナの種のお粉は毒?
毎年たくさんの種を落とすオシロイバナ。子供の頃は種を潰してお粉を手に塗り広げて遊んだものだ。ところがそのお粉には毒があるらしい。数年前に大量に掘り起こしたお芋にも。
お腹を壊して下痢や腹痛を引き起こすとか。
ノウゼンカズラもオシロイバナもちょこっと毒持ち。
ラベンダーは人にはOKだが、猫にはNG。
植物は自分のために葉を茂らせ花を咲かせているので、観賞や食用に利用するときには「動物たちの自己責任で」ということか。