6本足のコガネグモ

6月から庭に住んでいるメスのコガネグモ。彼女の巣にニホンヤモリがかかった夜、足を2本失った。8月に入って巣の端に卵があることに気づいた。そして13日に孵化である。

ギリギリ日射を交わして暑さに耐えるコガネグモ

相変わらず、玄関ポーチ脇に巣を張っているコガネグモ。この場所は南面なので日差しが強いのが難点。毎日ジョロを片手にこの巣の下をウロウロするのだが、とにかく暑い。

けれどこの賢いコガネグモは避暑の方法を知っていた。張り出したポーチの屋根を起点に彼女の巣があるのだが、網に陽が当たっても、ギリギリのところで体を日陰に置いている。

日差しを避けるコガネグモ
ギリギリ熱射を避けるコガネグモ:20220723撮影

どうやら中央部に立体的な足場を組んでいるみたいだ。

夏の熱射を避けるコガネグモ
避暑用の足場を張っている:20220723撮影

日陰になる巣の端に移動しても良さそうだが、中央部分でないと獲物の捕獲に支障があるとかで、中央部に避暑用のパーツを増設したか?

この蜘蛛は、6月初旬に見かけてから3回、巣をかける位置を変えてきた引越し魔だ。いっそのことどこか日陰に掛け替えたほうが楽な気もする。

でもある日、この巣を捨てられない理由に気がついた。

蜘蛛の巣の上端に卵嚢発見

巣の上端に、白い扁平なものがくっついている。図鑑で調べたらコガネグモの卵嚢だった。子供たちを守っているんだ。

蜘蛛の巣の端っこのコガネグモの卵
巣の上端に卵嚢があった:20220801撮影

6本足でコガネグモ頑張る

確かに日中は過酷な場所だが、コンスタントに獲物も掛かるようで、2本足が少なくても支障なく暮らせているようだ。

獲物を食べる6本足のコガネグモのメス
獲物はなんだろう?:20220807撮影

激しい雷雨と強風のあった夕方、壊れた巣を手際良く(足際良く、かな?)修復しているのも見た。卵のある箇所は細かく網を縦横にめぐらしてあるのが功を奏し、風雨にも全く損害なし。大したものだ。

下画像の獲物はマメコガネっぽい。ガッツリ食事しているところを撮影。

獲物を食べるコガネグモ
食べてるのマメコガネかな?:20220808撮影

8月13日、祝!赤ちゃん蜘蛛誕生!

そしてお盆がやってきて、いつものように巣を見上げると、卵嚢の周囲がウジャウジャしている。

急ぎ持ち出した脚立に乗って、精一杯腕を伸ばして撮った写真が下画像。子グモがいっぱいだ。じっとしていて1匹が動くとモゾモゾゾっとみんなが一斉に蠢く。

コガネグモの孵化 卵嚢に別種の蜘蛛がいる
別種の蜘蛛が卵嚢にとりついている:20220813撮影

でも、1匹、明らかに別種の蜘蛛が滞在中。赤ちゃん蜘蛛を食べにきたのかな?

この日の午後、短時間(10分ほど)バケツをひっくり返したような豪雨があった。
夕方、雨で叩き落とされたんじゃないかと見にきたら、無事にウジャウジャしていた。
子グモたちがいるところは風さえなければギリギリ雨のかからない場所なのだ。すごいなお母さんグモ。

子グモたちはいずれ糸を風に乗せて散ってゆくらしい。

孵化の日のお母さんグモ。今日も頑張ってます。

2本足を失ったメスのコガネグモ
6本足で頑張ってます:20220813撮影

8月19日追記

8月13日に卵嚢から出てきたコガネグモの子供たち。しばらく団居(まどい)と呼ばれる集団生活をしていた。
子グモの集団の散らばりようは見るたびに違う。

卵嚢の近くには明らかに別種の蜘蛛が常駐していて、時には遠巻きに円を描くように子グモたちが分布。警戒しているように見える。

「まどい」中のコガネグモの幼生と別種の蜘蛛
別種の蜘蛛を遠巻きに:20220817撮影

子グモたちの旅立ちが完了したのは8月19日。気がつくと1匹もいなくなっていた。

子供たちが巣立ったコガネグモの卵嚢
巣立ちを確認:20220819撮影