被害枝を片っ端からカット中

ブトウトリバは毎年、ブドウトラカミキリは初めての被害である。面白いことに今のところブトウトリバはヒムロッドシードレス、ブドウトラカミキリは安芸クイーンにのみ被害が出ている。

成虫で越冬するブドウトリバ

4月にブドウトリバの成虫を数匹確認していた。ヒムロッドの近くだ。ブドウトリバは成虫で冬をやり過ごす蛾だ。一見蛾には見えないけれど。

ブドウトリバの成虫
30センチほどのところにもう1匹いた:20220425撮影

ブドウトリバは葡萄の新枝の節の付け根に卵を一つ産みつける。孵化した幼虫が茎の中を食べて茶色いクズを穴の外に排出。食い進むと枝先が枯れる。

黄緑色の細身の芋虫で、茶色いラインがアクセントに入っている。

葡萄の新枝から出てきたブドウトリバの幼虫
ちょうど穴から出てきていたところだ:20220508撮影

被害にあった枝は全てカットして対処している。

なぜかこのヒムロッドに集中して卵をうむブドウトリバ。この葡萄の枝はつるんとした表皮で、安芸クイーンの枝は細かい毛に覆われている。ツルツルが好みなのかな。

昨年の枝の中で幼虫が越冬:ブドウトラカミキリ

こちらは安芸クイーンの昨年の枝。4月に切り口ではないところから樹液が滴り、やがて止まった。
この時は誘引に無理があったかと考えていた。樹液が美味しいのか数匹のアリがウロウロ。

葡萄の昨年の枝から樹液が滲み出る
昨年の枝から樹液が滲み出ている:20220407撮影

5月になり芽吹いていた新芽が萎れたので、これはおかしいとカット。

急に枯れ始めた葡萄の新芽を切り取った
枯れ始めたところを切り落とした:20220507撮影

落とした枝の根本の節を切り開くと白い芋虫がいた。おそらく誘引で枝を曲げた際に虫食い部分に亀裂が入って樹液が滲んだのだろう。

葡萄の枝の中のブドウトラカミキリの幼虫
枯れた去年の枝を切り開くと白い幼虫がいた:20220507撮影

掃除好きのブドウトリバの幼虫と違い、こちらは虫フンため込み派らしく、枝の表面に木屑めいたものは見当たらなかった。撮りためた昆虫画像を見直して見たけれど、まだ成虫と会ってない。

ひたすらカットするのみ

葡萄好きの昆虫たちが様々やってくるけれど、誘引しているウッドデッキには猫小屋が設置してあるので、薬剤を使うことは考えていない。

茎の中を食べる虫以外に、もう少ししたら常連のコスズメ(スズメガの一種)の幼虫がやってくる。昨年はブドウスカシクロバも発生した。こちらはそこかしこに常駐しているカマキリ、ニホンアマガエル、ヤモリ、そして頻繁にパトロールにやってくる数種のアシナガバチが葡萄の負担にならないくらいに食べ減している。

肉食の彼らも流石に茎の中の芋虫は食べられないので、見つけ次第人間がカット。ついでに雨に当たる部分にしつこく発症する黒とう病の枝もカットして袋に詰めて廃棄だ。

虫食いや黒とう病でカットした葡萄の枝
ただカットするのみ:20220507撮影

葡萄に多くは望まない。家の南側をくまなく葉で覆い尽くしてくれればそれだけでありがたい。

と、自分に言い聞かせて今日もハサミを持って外に出る。