地表50センチ高の草薮がお好き?

梅雨に入り野草が勢いを増した我が家の裏庭。果樹や庭木の間をぎっしりと埋めているのは、ドクダミ、ヤブマメ、ヘクソカズラにハゼラン。6月中旬あたりから紫蘇も背を伸ばしてきた。ふわりと地表を覆う葉の重なりはキリギリスが暮らすのに最適なのか、今年はやたらに数が多い。

九州だから、きっとニシキリギリス

下画像は5月、まだ草のドームが出来上がっていない頃の庭で撮影した幼いキリギリス。庭には数種のバッタが住んでいて、最近ようやく幼虫の見分けができるようになってきた。キリギリスは扁平な背中に走る2本のラインが特徴的だと思っている。この頃はまだ草食なんだろうか?

ニシキリギリスの幼齢幼虫
背中が平くて2本の筋がある:20230519撮影

ところで、キリギリスには2種あるという。ここ九州に住んでいるのはニシキリギリスらしい。

一度にキリギリス幼虫5匹

今年はキリギリスが多いぞと気づいたのは6月に入ってから。庭に入るたびに彼らと顔を合わせるのだ。

例えば6月28日、5匹のキリギリスが庭にいた。下の葉蘭の大株の写真には2匹写っている。

葉蘭の株でキリギリスとカマキリを発見
東の庭の葉蘭の大株:20230618撮影

葉の奥まったところにカマキリも。成長して肉食昆虫に変じたキリギリス2匹と、生まれながらの狩の名手カマキリが至近距離に!

葉蘭の2匹のキリギリスと1匹のカマキリ
喰いつ喰われつ共存:20230618撮影

何か起こるのではとドキドキしたけれど、しばらくして戻ってみたら何事もなく散会していた。

この葉蘭から3メートルほどの草薮の上にもキリギリスがいた。撮影時は2匹しか認識していなくて、画像でもう1匹いたことに気づいた。
どれも終齢幼虫みたいだ。

この頃になると、先行して茂っていたドクダミやハゼランの間から、ヘクソカズラやヤブマメ、アサガオなどの蔓草が伸び上がり、地表50センチほどがふんわりと緑で覆われていく。

草叢のニシキリギリス幼虫3匹
こんもり茂った草薮が好きみたいだ:20230618撮影

ざっと庭を眺めて5匹だから、10坪ほどの庭(ほとんど草薮です)に一体どれだけのキリギリスが住んでいるんだろう?
肉食昆虫へと成長した彼らを養うだけの他の虫たちも、ワンサカ地表50センチほどの草のドームに潜んでいるんだ、きっと。

6月下旬、成虫現る

上の画像を撮影した翌週にはキリギリスの成虫たちが現れた。右上にメス。左下にオス・・・蜘蛛もいるな。右下にはツチイナゴの幼齢幼虫も写っている。

草薮のニシキリギリス成虫2匹
昼間ギーチョン鳴き声が聞こえ始めた:20230626撮影

上画像のメスを近くで撮影。

成虫のニシキリギリスのメス
ニシキリギリスのメス:20230626撮影

こちらは同日に葉蘭にいたオスのキリギリス。前足のトゲの鋭いこと。なんだか顔つきまで精悍だ。

葉蘭の上のニシキリギリス成虫
ちょっと顔が丸っこいところが良いのです:20230626撮影

庭の植生も移り変わり、それにつれて庭の主役も変わっていく。
今年はカマキリの幼虫に会う機会が少ないのはキリギリスのせいかな。常連昆虫のツチイナゴも喰われて減るかもしれない。

でも、あまりキリギリスが増えるとエントモファガ・グリリが発生するかもしれない。2016年から現在(2023年)までに、バッタカビのシーズンが2度あった。以前発生したのは確かツチイナゴの密度が高いときだった。

高い枝先にしがみ付いて果てたキリギリスなんて見たくないよ。