荒地めいた我が家の庭

夏には旺盛な野草がひしめき合い、秋には庭のあちこちで枯れ始めた葉が風に揺れ、荒涼感漂う庭になっている。
草刈り鎌を手に庭に出るが、個々の植物の秋・冬じたくには花咲く季節とは趣の異なる見事さがあって、片付けることを躊躇させるのだ。

シランの冬枯れ

大きな梅の切り株のそば、ほとんど土のない場所に自生している紫蘭の葉の紅葉だ。黄色いスポットが一面に発生、この後全体が茶色く枯れていく。

シランの葉の秋枯れ
鮮やかな黄色いスポット:20191029撮影

シュウメイギクの種

シュウメイギクの花びらが落ちた後、中心部だけが残った。
同じ場所を向いて伸びゆく様子が際立つ。
やがてまん丸が破れると白いワタがふわっと見えてくる。

シュウメイギクの種
不思議な造形:20191109撮影

フウチソウの冬枯れ

鉢植えのフウチソウはこの形のままシャワシャワの茶色い葉の塊になる。こんもりと茶色いフウチソウをしばらく楽しんでから根元から刈り取ることにする。

フウチソウの秋枯れ
枯れても風にさわさわ応える:20191105撮影

コムラサキの秋

ピカピカツルツルだったコムラサキの実が、日光と風雨にさらされ、粒子感が目立ってきた。黄色く紅葉した葉の中で補色の紫の陰影が増して見える。

コムラサキの秋枯れ
色褪せもシックだ:20191112撮影

イヌタデの紅葉

イヌタデが毎年繁茂する我が家である。必ず一株、ふた株は抜かずに取っておく。この力強い紅葉を見たい一心で。

イヌタデの紅葉
濃い緑と赤が混在する鮮やかさ:20191112撮影

空高く菊芋の立ち枯れ

菊芋が2メートルを超えた高さで花を咲かせた。
そのままに枯れ行き、空の中のオブジェである。

菊芋の冬枯れ
手の届かない高さでの立ち枯れ:20191130撮影

ぶどうの葉

夏の間、涼しげな影を人間に提供し、ニホンアマガエル、オオカマキリ、スズメガ(コスズメ)、女郎蜘蛛たちの住まいや食料であった葡萄ヒムロッドシードレスも落葉である。

ぶどうの葉の冬枯れ
ヒムロッドシードレスの葉も黄色く紅葉:20191204撮影

大きな葉は風に吹かれて地面を這い、カサカサと秋の音を立てるのだ。

紫陽花、アナベルの冬枯れ

アナベルの楽しみの一つがこの冬枯れ。葉脈のみが残ったシャワシャワのドライフラワーになる。リースの材料としても使えるらしい。

紫陽花アナベルの冬枯れ
標本のよう。繊細だ。:20191209撮影

この数日、霜が降り始めた。
いいかげんに庭の冬支度を始めないといけないみたいだ。