キャットランというか、猫小屋というか。
猫はいつでも脱走のチャンスを虎視淡々と狙っている。
足元のおぼつかない家人がウッドデッキに出るためには、掃き出し窓を大きく開け放つ時間がどうしても十数秒は必要で、おまけにこちらは体を支えるために両手は塞がっている状況だ。この機会を猫たちが見逃すはずはない。
金網とラティスで二重囲い
ちょっとだけ外の空気を吸いたいだけなのだが、猫の脱出を阻止しつつウッドデッキに出るのがとても大変なのである。
そこで、人間が入れるサイズの猫小屋があればと思ったわけだ。
でも、計画性のないいつものDIYでは何ヶ月かかっても作れそうにない。そこで業者さんに相談したらウッドデッキの一部を猫が脱走しないように金網で囲ってくれた。
亀甲金網をこれでもかとタッカーどめ
外構フェンスで囲うことも考えたが、材料費だけでもかなりかかるとのことで、亀甲金網に変更。
屋根まで金網を張り巡らせてある。網のつなぎ目は重ねを多く取り、金網を捻って連結。
下画像に写っているサッシは、金網越しでない視界も欲しいだろうとつけてくれた。開閉できると、脱出口と認識した猫たちのアタックを誘うのではめ殺しだ。庇との取り合いは板でふさいである。
金網はタッカーどめ。猫の体重がかかることを考慮してかなりの密度で打ち込んである。様子を見て補強が必要となればその時に対処する。
庭への出入りは、はめ殺しのサッシの向こうに見えているサッシを使う。(あの窓には地デジ用のダイポールアンテナをくっつけている。どこかに場所を変えなければ・・・)
外猫との接触防止、内猫脱走防止のためのラティス囲い
金網の下半分は外からラティスで囲ってある。ラティスと金網の間隔は10センチ以上。
もともとデッキの床は地面から50センチほど高いし、これで外からよその猫が来ても直接の接触は阻めるはずだ。
それに、二重になっていれば、我が家の猫たちの脱走へのモチベーションを削ぐことができる。下画像は完成お披露目の初日からくつろいでいるソックス。
二重の猫小屋
彼らの元々の外ケージ(アイリスオーヤマのコンビネーションサークル)はそのまま残してある。場合によってはこのケージの扉を閉め、人間だけが猫小屋を使えるようにするためだ。
下画像は元のケージの天井に登って、新しい猫小屋の屋根周りをチェックするクロエ。
眺めのいい猫小屋:贅沢なガラス窓付つき
この猫小屋には金網のない場所がもう一か所。
金網だと景色が楽しめないことを考慮した業者さんが、透明のサッシ窓を持ってきてはめ殺しのビュースポットを作ってくれたのだ。
みかんはこの覗き窓が気に入ったようで、ほぼ直行。前足をかけて外をのぞいている。
自分1人ではあれやこれや考えるだけで、ただただ時間だけが過ぎたであろう猫部屋が、相談した翌週に、1.5日で完成(店舗に金網の在庫がなくて1日で完成できなかったのだ)した。
予算のことを含めて色々相談したら、低コストで目的が達成できるように色々なアイデアを出してくれた。
猫小屋にはめ込んだサッシは、倉庫などを作るときの明かりとり用の部材として保管しておいたものだそうだ。
自分だけで悶々と考えていただけでは思いつきもしないことだ。
猫の伝染病の話をしたら、金網から空間をおいてラティスで二重囲いするアイデアが出てきた。
犬の部屋は作ったことがあるが猫部屋は初めてだと笑いながら、風のようにやってきて魔法のように形にしてくれた。感謝である。
人間とみかんのストレス解消のために
長い距離を歩けなくなって、デイサービスの日以外ほとんど外に出ることがなくなった家人に、気軽に戸外の気分を味わってもらうための囲いではあるが、もちろん猫のためでもある。特にみかん。
5月に15歳でなくなったエドは、猫伝染性腹膜炎の疑いもあった。この病気の特徴的なウェットタイプ(内臓膜に炎症が起こり、胸水や腹水がたまる)、ドライタイプ(様々な臓器に肉芽腫ができる)のどちらにも当てはまらず、確定診断には至らなかったが。
治療法も予防法も確立されていないこの病気、ストレスが原因で発症する可能性がある。多頭飼いも高リスクだ。
みかんと2匹だけで、もっとゆったり静かな生活を送っていたら、まだ元気でいたかもしれない。
エドが体調を崩す2ヶ月ほど前に、家人が車椅子を使うようになって人間側に余裕がなくなった。猫たちにも幾分のしわ寄せがあったに違いなく、エドにも寂しい思いをさせたはずだ。
現在、1匹でA群を張っているみかんにストレスがないわけがない。君にはエドの年齢を越えて20歳まで生きて欲しい。がんばれみかん。がんばろうみかん。なのだ。
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