夜と雨と、朝の光

陽光の下のバラはもちろん美しいのだけど、黄昏時、乏しい光の中で出会うバラにはドキリとさせられることがある。
雨に濡れた花弁や、目覚めてすぐの朝陽の中で見るバラもいつもと少し違って見えるのだ。

夕暮れに浮かぶ薔薇の顔

名無しの白薔薇は今年も次々と花をつけてくれている。燦々とした光の中では濃い緑の葉色とのコントラストが青空に映える。
けれど光度が足りなくなると全てが暗く沈み、ただ白い花だけが浮かび上がる。

不思議に透明感が増して別の花のような気がしてくるのだ。

夕暮れの白薔薇(white rose)
白さが引き立つ(名無しの白薔薇):20180603撮影

すぐそばで咲いているクイーンエリザベスもペッタリとしたピンク色に見えていた昼間より、紅の濃淡を感じる。

夕暮れのピンク色のバラ(クイーンエリザベス・Queen Elizabeth)
透明感が増して見える(クイーンエリザベス):20180603撮影

手前から、白薔薇(品種知れず)、クイーンエリザベス、奥に見える淡いピンク色はホーム&ガーデン。

夕暮れの花壇のバラ
花だけが浮かび上がる:20180603撮影

妖しさ漂う夕暮れのブルームーン

夕暮れの青バラ(Blue Moon)
青さが増して見える(ブルームーン):20180524撮影

雨の中、濡れた薔薇

雨の夜、LED灯の下のホーム&ガーデン
重たげな水滴がスパンコールのように光っている。とても健康的な印象の花なのだが、華やかにお化粧を施したようだ。

夜のピンクのバラ(Home&Garden)
雨、玄関灯の下で(ホーム&ガーデン):20170523撮影

1日中日の当たる場所にあるエル(Elle)はこの一年本当によく花をつけてくれた。花弁がしっかりした花持ちの良いバラで香りが良い。
強い茎で雨の中でもしっかりと上を向く。ピンクのようなオレンジのような不思議な色合いをしたこの時の花はケーキの上の砂糖菓子のようだ。

雨の日の花壇で咲くピンクのバラ(Rose Elle)
雨に負けない強い花弁(エル):20180502撮影

雨の中でうなだれたアイスバーグ。下を向いて初めて臙脂色の差し色に気がついた。11月の花だからだろうか。他のいくつかの花にも同じような赤がある。雨がなければ気づかなかった。

雨にうなだれた白薔薇(アイスバーグ)
赤い色が差したアイスバーグ:20181127撮影

秋雨の中のホーム&ガーデン。春の花よりも格段に色濃い。しっとりと濡れてさらに赤が濃く見える。

秋に咲いたピンク色のバラ(Home&Gardenホームガーデン)
春より赤味が増す(ホーム&ガーデン):20181127撮影

朝陽に透けるバラ

白い光が低い位置から花を照らす。
光が通り抜けて花びらがふわりと柔らかい。

露に濡れた白薔薇(white rose)
もやの中、露が残る(名無しの白薔薇):20181105撮影

朝のバラは優しげだ。

朝陽の中の白いバラ(White rose)
朝陽に透ける花弁(名無しの白薔薇):20181102撮影

全く同じその日に、同じ花を見るのだけれど、朝のバラと夕方のバラは違う顔だ。花の開き具合の変化はあるだろう、けれどそれ以上に別物だったりする。

私には夕暮れ時の薔薇園は怖く思えるのだ。