ウッドデッキでしょんぼりしていたカマキリ
師走に入ると毎年のように日当たりの良いウッドデッキにオオカマキリがポツンと現れる。日中暖かくて霜を避けられるだけマシなのだろう。
でも、ゼラニウムやハイビスカスのために設置した温室の方が、吹きっ晒しの床よりも格段に暖かいし、植物の葉に囲まれて晩年を過ごす方がカマキリも楽しかろうと、カマキリの生涯に干渉してしまった。
水も獲物もないウッドデッキにて
このウッドデッキにはブドウを誘引していて、夏はカマキリの狩場となり、秋には産卵場所になる。
冬が来てブドウの葉が完全に枯れ落ち、獲物がいなくなると、カマキリがウッドデッキの床に降りてくる。
このカマキリはほぼ一生をウッドデッキで過ごしたんだと思う。産卵を終えたらしきメスだ。
このカマキリは、日差しのある時間だけ日光浴に現れて、夕方になると下画像で彼女の後ろに写っている葦簀に戻っていく。天気が悪くて気温が低い日には出てこない。
庭で暮らしていれば、雨も降るし、霜が溶けて飲み水には不自由しない。でもウッドデッキの屋根の下には水はない。喉が渇いているだろう。
水を飲んでちょっと元気になった
カマキリを温室のゼラニウムの上に下ろした。奥へと逃げようとするモゾモゾ葉を歩いて行く。
でも彼女の体の上に水を少し垂らすと足を止めて、すぐに水を舐め取り始めた。
濡れたゼラニウムの葉を舐めた後、足を舐めたりアタマを拭ったりとキビキビと身繕いを始めた。精気が蘇ったようだ。
ゼラニウムの葉に水をかけるのは気が進まないが、彼女の周囲にだけ毎日水を降らせてみるか。
温室内でハンティング
40分ほどしてカマキリの様子を見ると、30センチほど移動している。よく見ると、何か食べてる!?
獲物は芋虫っぽい。そういえば、最近ゼラニウムの葉にポツリポツリと穴が空き、下にパラパラと黒い胡麻粒サイズの糞が散らばっていて、何かがいるとは思っていたのだ。
水を飲んで人心地ついたところで、久しぶりの食事にありついたか。温室で食べ放題生活をしていた芋虫には災難だった。
翌日、カマキリの様子を見に行くと、奥の方にあるゼラニウムに移動して、この時も熱心に身繕いをしていた。
今日は12月30日。どうやらこのカマキリと一緒に新年を迎えられそうだ。