先住猫みかんに優先権があるようで
建物東に面したウッドデッキを金網で囲って作った猫小屋には、長い庇が内包されている。板金された庇が朝日に暖まった頃合いに猫たちが日向ぼっこに登ってくる。
庇へ至る階段がわりに、天井パネルと扉パネルを外した猫ケージを置いている。
猫たちは各ステップをトントンとリズミカルに登って、庇とポリカ天井に挟まれたポカポカスペースに這い込む。
茶々vs.みかん
ポリカ屋根の桟で区切られた空間には2匹ゆったり入れる余裕があるのだが、階段を登ってきたみかんは、茶々がいるのを見つけて立ち止まった。みかんは先住猫なのだ。
この家に4匹で引っ越してきたみかん。
白猫そな、キジ猫フク、キジ白のエドが亡くなって、たった1匹の先住猫になってしまった。
対する後入り猫4匹。母猫キコを筆頭に元子猫のソックス、茶々、クロエ。
みかんは縄張りを削り取られる日々に少なからずストレスを感じてきた。
お気に入りスポットに寝そべっている茶々を見つけて、おそらく朝の爽やかな気分に水を差されたキモチなのだ。
しばしステップに立ち尽くしていたみかんだが、茶々を避けて空いているスペースに這い込んでいった。
そして、ちょっと強気に出てみるみかん。そっと目を逸らすお茶々。
先住猫の威光はまだ有効なのだ。
みかんvs.キコ
キコはみかんに遠慮がちで、いつもは避けているのだが、ある朝トントントンと走り上がってきた勢いで、ついうっかり、みかんがいた庇に入ってしまった。
「え?なんでアタシがいるところに入ってくるの?」とみかん。「しまった!」と縮こまるキコである。
キコのすぐ後ろを登ってきた茶々は「危なかった〜」という感じかな?
別の区画ではソックスが平和に眠りこけている。
キコは1分も庇に留まらず、みかんを刺激しないようにスローな動きで降りていく。それをジイッと見つめるみかんである。
いや、ほっとした。高所でケンカすると危ないからな。
みんな、仲良くやっておくれ。