春を目前に力尽きる
他のジョロウグモたちが12月に産卵して姿を消した後、痩せっぽちの一匹が枝垂れ梅に小さな巣をかけて2024年を迎えた。
寒風吹き荒ぶ枯れ枝にかけた小さな巣
ジョロウグモがいるのは樹齢50年ほどの枝垂れ梅。樹高2.5メートルほどのこの木の幹はほとんど空洞になっていて、年を追うごとに樹勢が衰えている。蜘蛛の巣は枯れ枝にあるが、この枝も昨年までは花をつけていた。
12月は彼女の巣にもいくらか獲物がかかっていたけれど、2024年になってから食事風景を見たのは2回だけ。
おそらく1月17日の下画像が彼女の最後の食事だ。
この冬は暖かいけれど、それでも霜は降りるし、一度だけ雪が積もった。
時には枯れ枝に身を寄せて厳しい天候に耐え、
でも大抵は、直径30センチほどのこぢんまりとした自分の巣の中央に留まっている。
少しぐらいの雨では巣から動かない。
そして立春を迎え、巣の修復に励む姿も見せてくれた。
2月15日には彼女が巣をかける梅の木に最初の花が咲いた。彼女の獲物となる虫たちがこの木に集まるようになる。
この日の夕暮れに撮影した彼女のシルエット。なんだか神々しい。
でも、翌朝、巣に彼女の姿はなかった。梅の枝にもいない。いってしまったみたいだ。
朝の挨拶ができないのが寂しい。
ひょっとしてジョロウグモが地面に落ちていないかと足元を探していたら、ウロウロしているハマオモトヨトウを見つけた。食草のタマスダレがすぐ近くにある。蛹になる場所を探しているのかもしれない。頑張れ!