種無しブドウのヒムロッドシードレス、3年目の開花と初収穫

日当たりが良すぎる平屋の我が家。夏、南から降り注ぐ熱線をなんとか遮断すべく、ウッドデッキに葡萄、ヒムロッドシードレスを這わせている。
1年間鉢栽培ののち、去年半地植えしたところ今年は初の花穂をつけて、ほんのちょっとだけど収穫である。

1年目の鉢栽培:黒とう病で主枝をカット

2016年の冬に購入し、地植えしようと思いつつも場所を決めかねて、鉢植えにしてしまった。
葡萄は冬に完全落葉する。購入時、節くれだった枯れ枝にしか見えない状態であったが、2017年4月に入り無事新芽が動き出した。それからの成長は早い。

葉の美しさを日々愛でていたところ、この写真を撮影した直後、一番元気の良い茎に黒い斑点があらわれ、やがてそれが陥没。

鉢植1年目春のぶどう(ヒムロッドシードレス)
このあと黒とう病に・・・:20170427撮影

「黒とう病」である。泣く泣く一番太いその枝を切って廃棄。
切り口からポタポタ垂れるぶどうの体液がなかなか止まらずハラハラ。

雨に当たって発症すると知り、慌ててもうひと鉢のブドウ、安芸クイーンとともにウッドデッキの屋根下に避難して、年を越した。

2年目は半地植え:放任栽培開始

落葉した後、建物東側の庭の南端、ウッドデッキの際に植木鉢のお尻1/3を埋めた。半地植えである。

雨樋からの排水が集中する場所なので、高めに植えてみた次第。

葉を展開させる半地植えのぶどう(ヒムロッドシードレス)
しっかり根を下ろしたようだ:20180505撮影

植木鉢の下は庭土と腐葉土を混ぜほぐした。冬の間様子を見つつ水やりのみしていたが、春先の成長の勢いをみて地面に根を下ろしたと判断。以後、水・肥料とも与えていない。

グリーンカーテンとしての真価を発揮

地植えして、ウッドデッキの6㎡ほどの範囲がブドウ葉で覆われた。グリーンカーテンとしてはかなり優秀だ。

ぶどうのグリーンカーテン
見事に日差しをシャットアウト:20180913撮影

剪定はエスパリエを目指して

結実させることが主目的ではないので放任の予定だが、ウッドデッキに沿わせるべく誘引は必要。とりあえず去年の枝から直接出た枝の先端を充実したところでカット。その枝から出た側枝は2芽残して剪定した。エスパリエ仕立てということになるのか。

3年目:ついにぶどうに花房がつく

今年(2019年)も4月に入って新芽が動きだした。
全ての芽からズンズンと枝が伸びる。本来ならこの時点で枝を整理するらしいが、剪定せず放任してみる。

ぶどう(ヒムロッドシードレス)春の芽吹き
今年も元気よく発芽だ!:20190404撮影

ヒムロッドシードレスは樹勢が強いブドウだ。昨年の剪定が強すぎたのか、反発するようにワっと葉が広がった。
そして、所々に花穂出現である。

ぶどう(ヒムロッドシードレス)の花穂
初の花穂に大興奮!:20190501撮影

5月中旬:ぶどうの花が開花、ジベレリン処理なしで大丈夫

下が、ヒムロッドシードレスの花。ぶどうの花はいたって地味だ。ピコピコ飛び出した雄しべが開花の証。
よく見ると雄しべがまだ出ていない大きめのツブがある。花弁が癒着しキャップのように雄しべ雌しべにかぶさっている状態なのだ。それがポロっと外れてめでたく開花となるらしい。

ぶどう(ヒムロッドシードレス)開花
これがぶどうの花!?:20190517撮影

来年開花したらその足元に落ちているはずの花弁キャップを探して見るつもりだ。

ヒムロッドシードレスはもともと種無し(シードレス)品種、種無しブドウにするためのジベレリン処理は不要だ。けれどこの品種にジベレリン処理をすると、いくらか果実が大きくなるらしい。
我が家は小さくても構わないので処理なしでいく。

見事な花ぶるいでほとんど落果

初花に喜んだものの、ほとんどの粒がボロボロ落ちて、隙間だらけの房になっていた。
虫食いかと思ったが、これが有名な「花ぶるい」らしい。
この房はわずかに果実が残り肥大が始まっているが、全滅した房もある。

ぶどう(ヒムロッドシードレス)の花ぶるい後
残った実はそれなりに成長中:20190531撮影

樹勢が強すぎると花ぶるいが多いとか。ヒムロットシードレスは樹勢が強い品種。放任が祟ったのかもしれない。

ポロポロと果実が落下:貧相ではあるが結構甘いぞ

ヒムロットシードレスはほとんど流通しない品種で、実物を見たことがない。最終的なつぶの大きさや収穫時期がよくわからず、もっと果実が大きくなるかな?と期待を込めて収穫を日延べしていたら、7月下旬につぶがポロポロ落下し始めた。中には房ごと地面に落ちるものも。脱粒しやすいこともこの品種が流通しない理由の一つらしい。

実がまばらな放任栽培のぶどうの房(ヒムロッドシードレス)
完全放任の結果、こんな感じに・・・:200190730撮影

試しに1つぶ食べたら結構甘い。
収穫時期と判断した。
まだあまりに固そうな房を残して収穫である。

放任ぶどう(ヒムロッドシードレス)収穫
3年目の初収穫:20190730撮影

つぶは不揃いでところどころ虫食い。黒い斑点はもしかして黒とう病か?とも思うが、食べられないこともあるまいと冷蔵庫へ。来年は袋掛けだけは行うべきか。

後日、同じく放任のブルーベリーと水耕栽培のトマトとミックスして食す。ヒムロッドの粒サイズはほぼブルーベリーと同じだ。しかし、とにかく甘い葡萄だ。

ミニトマトとぶどうとブルーベリーの彩り
ブルベリーと同サイズだ:20190801撮影

謎の穴:ブドウスカシバ?

5月に下の画像のような虫食い穴ができて、枯れてしまう葉が多発。目についたものは全て切り取って廃棄した。
虫本体は確認していないがブドウスカシバと思われる。幼虫が茎の中を食い進むのである。

ぶどうの葉の付け根の虫食い穴
ぶどうの葉の付け根に謎の穴:20190522撮影

コガネムシのレース細工

8月に入ってもひたすらモグモグ頑張っているのはコガネムシ。1枚の葉っぱを集中的に食べて、時にはスカスカに空が透けて見えるほどの食いっぷりだ。
致命的なダメージにはならないだろうと見逃している。

ぶどうの葉を食べているコガネムシのシルエット
食欲旺盛なコガネムシ:20190618撮影

7月末時点でつる長7メートル前後

ヒムロッドシードレスの生育旺盛なつるは、現時点で最長7、8メートルほどに伸び、グリーンカーテンとしての役割を果たしてくれている。

ぶどう(ヒムロッドシードレス)のグリーンカーテン
ウッドデッキの一角に影をもたらす 20190715撮影

カーテンから飛び出して通行人や車両の邪魔になる枝は、適当にカットしている。そんな無造作な扱いを受けているにもかかわらず元気いっぱい勝手につるで巻きつきながら面積を拡大中だ。

力強く巻きつくぶどう(ヒムロッドシードレス)のツル
自由に巻きつかせている:20190722撮影

ひょろひょろだった株元の幹も、半地植えしてから一気に太さを増した。

3年目のぶどう(ヒムロッドシードレス)の株元
植木鉢の1/3は地面に埋まっている:20190730撮影

できれば建物南面の半分を、ヒムロッドシードレスの葉が覆ってくれればとお願い中である。
もちろん美味しいぶどうを作ってくれたら、それはそれでとても嬉しいのである。