海辺で普通に食べていた「せい」
時々スーパーでも見かけることがある「亀の手」。祖母は「せい」と呼んでいた。リアス式海岸の多い大分県。海辺の岩場に行くと岩の割れ目を埋めるようにびっしりと「せい」があり、海辺の町では近所のどこの家にも岩から「せい」をコネて取るための金属棒の道具があったのだ。
海の幸「亀の手(せい)」と「にいな」に興奮の人間たち
大分県の海の近い街の居酒屋ではメニューの一品としてもあるそうだ。スーパーでも時々見かける。
「亀の手」と一緒に写っているのは巻貝の「にいな」だ。

海の匂いに興味津々な猫たち
上の写真をウッドデッキの自然光の中で撮影したのだが、猫たちがぞろぞろと外ケージに集まってきた。
心そそる初めての匂いに引き寄せられてきたらしい。
ケージの近くに置いて見たら、早速ニョキニョキと猫手が出てきた。キコはちょいちょい触るぐらいだったが、ソックスは本気で取る気だったようだ。クロエは嗅ぐだけで手出しなし。

初見はグロい?
「亀の手」を初めて見る人からするとグロテスクで食欲がわかないかもしれない。が、これが美味いのだ。

「亀の手」も「にいな」もシンプルに塩茹でが一番美味しい
「せい」はひとかたまりになって岩についているので、お尻のところがくっついている。
我が家ではあまりに大きな塊の場合はバラすが、3、4個ほどの塊ならそのまま茹でてしまう。
「にいな」は岩場の貝なので砂吐きなどの下ごしらえをした記憶がない。とりたてをそのままゆでるのだ。

「せい」はビリビリと裂いて食す。
「せい」の爬虫類の肌めいた下の部分を指で「ビリビリ」と裂く。油断すると中にたっぷり詰まった水分が、顔や服にピッと飛んでくるのでご注意を。
下の画像のピンクの部分が食す部分。引っ張るとスポっと抜ける。時々、黒い触手めいたものがくっついて出てくるが、その部分は食べない。背が高いと長い身が、背が低いと短い身が出てくるわけだ。

そして「せい」の身は時々もっと太かったり、朱色がかった色だったりする。
食感は「クニクニ」した感じ。
とにかくお試しあれ。
「にいな」は針でクルクルと
針の方が身を抜きやすいけれど、蓋が柔らかいフィルム状なので、爪楊枝でも抜ける。
お尻の先まで食べられるが、私はお尻を外す派だ。

こちらは「コリコリ」とした食感である。
猫たちが食卓を襲うこともなく、平和にコリコリとクニクニを堪能した夜であった。