猛々しい荒皮と無垢な中身
4月になると毎年のようにご近所の方から分けていただく筍。
食べておいしいのはもちろんだけど、形も好きなんだ。春の楽しみの一つになっている。
モジャモジャ怪獣みたいな「孟宗竹」
ずっしりと重くて毛深い孟宗竹。下画像は去年あまりに立派な筍をもらった時の記念写真。仲良くならんだタケノコ2つ。

細かい毛がビッシリ生えてざらざらした手触りも猛々しく獣みたいだ。それにずっしり重く、円錐形状もあいまって、うっかりすると取り落としてしまう。

無垢な感じがいたします
そんな孟宗竹に包丁をざっくり縦に入れ、両手の親指を入れてワリワリと割り開くと出てくるのが真白き(いやちょっぴり黄色味がかった)可食部。皮がパリパリ外れる手応えは快感である。強面の外皮を剥がされてスケールダウンする筍。
お鍋のサイズの関係で、我が家では筍の皮をむいて茹でるのだ。
筍の先端部は柔らかいのでポッキリ折れることがある。そうなると少し悔しいので優しく優しく。
頭の先に残った薄く白い皮の部分を我が家では味噌汁の身にしてありがたくいただいている。

鮮やかな赤紫は新鮮さの証?
いただきものの筍のお尻には宝石のように輝く根の萌芽。この色彩はとれたて筍ならではのものらしい。

硬いところも残さず食べたいので、赤いつぶつぶをそぎ落とすと、タコの吸盤みたいな模様が出てきた。

いやちょっとイビシイ感じ。そしてこの根が成長するとイビシサが凄まじくインパクトを増す。
気になる方は画像検索でチェックしてみてください。
この後、もうちょっと根の痕跡を削り落として、米糠を入れた水で茹でました。
ツルツル肌の「真竹」も綺麗です
こちらは孟宗竹よりちょっと遅れて出回る真竹。昨年6月にスーパーの産直コーナーで購入したときに撮影したものだ。

孟宗竹とは違い、無毛のツルツル皮。乾燥させた真竹の皮はおむすびを包むときに利用できる。

下画像は真竹の断面。惚れぼれしてしまうのです。

生き物だから美しいのだとこのページを書きながら納得してしまった。
追記:火炎のような先っぽの「淡竹(はちく)」
孟宗竹より遅れて、今年も真竹をいただいた。そして見慣れぬビジュアルのタケノコも一本。淡竹(ハチク)と言うタケノコだとか。
先端がまるで不動明王様が背負っている火炎みたいだ。いや、やっぱり怪獣の背鰭かな。

全体を見ると、トーチみたいに見えてきた。

淡竹を惚れ惚れと眺めつつ撮影していたら、ソックスがやってきて、真竹をいじくり始めた。

触ったり、スンスン嗅いでみたりと興味が尽きぬ様子。仕方ない撮影を切り上げよう。
淡竹と真竹の断面
上が淡竹で下が真竹。真竹の方が丸みを帯びた節空間なんだな。

今回は、煮付けと、筍ごはんにしていただいた。
後で知ったのだが、淡竹はアク抜き不要なのだそうだ。生でちょっとかじってみたかった。