昨年、百合を植えた。百合は猫には危険な毒草なので、切り花にせず庭で眺めるだけである。うっかり花粉を家に持ち込まぬよう、雄蕊が花弁に変化した八重咲きの3品種、スノーピーク、サマンサ、アヌースカを選んだ。
半日陰で排水の良い場所に
球根のパッケージにあった「寒さに強く、暑さに弱い。西陽を避け、半日陰で排水の良い場所に植えよ」との記述に従い、梅の木が昼前まで日光を遮断する場所に植えた。正午近くには真上から光が降り注ぐが、そばにある杏の幼木が育ったら木陰になる。午後は建物の影に入るので西陽は遮断される。
ここには紫陽花2株がすでに植えてある。百合の背後の青い紫陽花は安行四季咲き。でもまだ一度も返り咲きをしていない。画像右下に写っているのは白紫陽花のアナベル。まだ蕾だ。

6月上旬には百合の蕾が育ち始めた。開花までの変化を見るのが楽しい。百合にはたいてい蜘蛛がいて、この時も葉裏で食事をしていた。どの品種も3つ蕾をつけた。

下画像は、5月のものだが、2本の百合のてっぺんの葉の窪みにそれぞれ蜘蛛が潜んでいた。この頃は庭のあちこちに小さなカマキリがいて、この後どんな展開になったのだろうか。

睡蓮咲きのスノーピーク
7月に入り、一番最初に咲いたのはスノーピーク。上を向いて咲くと水蓮に似ているらしいが、臍を曲げて横を向いた。花の中にはカメムシ。

結局、3つの花のすべてが横向きに咲いた。中央の花弁が鳥の嘴のように突き出して、百合には見えない。

離れると3つの花が一塊になり、得体の知れぬ巨大な花のようだ。
白く咲いたアヌースカ
下画像はアヌースカ。「白い花弁にピンクの縁取り」のはずだが純白の花となった。発色に個体差があるという。また、高温だと赤色が出にくいらしい。

そして、なぜか一輪だけ立派な雄蕊をつけた。これも猛暑のせいか?花粉を服につけて持ち込まないように注意する。

百合は数年は植えっぱなしで良いのが楽でいい。来年は杏の木が育って少しは影か濃くなる。環境が変われば違う装いの花が咲く。植物の揺らぎが面白い。
サマンサ
サマンサは上をむいて華やかに開花。手前の白い紫陽花はアナベル。

チラリと葉と巻きひげを見せているのは烏瓜。アナベルから顔を出しているのは藪豆。
現在、屁糞葛と朝顔もあちこちに絡みついて、庭は半ばジャングルになっている。地面の露出がないので地温の上昇を若干は防いでくれているはずだ。
緑の茂みに目を凝らすと、必ず小さな生き物がいる。

植物も昆虫も、人間よりもはるかに暑さに強い。

