美しきかな、晩年のツチイナゴ

6月のツチイナゴ、燻銀の魅惑

6月は越冬した成虫ツチイナゴが寿命を迎える時期。
老熟のツチイナゴは体色の黒茶が冴える独特な美しさを見せる。

老熟のツチイナゴ

下画像は6月初旬のメスのツチイナゴ。
この時期の成虫ツチイナゴは黒味が冴えるキリリとした印象。

ピットスポルムの枝のツチイナゴ
黒味が冴える:20230609撮影

若いツチイナゴには複眼に縦縞あり

下画像は昨年秋の若いツチイナゴ。このバッタも特徴的な複眼の縦縞がしっかり見える。濃い茶色の部分もそれなりにあるけれど上画像のものほど黒々とした感じじゃない。

草叢のツチイナゴ
若いツチイナゴ成虫:20220911撮影

こちらも昨年10月に撮影したもの。かなり淡い色彩だ。羽化を終えて日が浅かったのかもしれない。

イネ科の植物にいるツチイナゴ成虫
羽化を終えてまもない感じ:20221012撮影

冬を迎える頃のツチイナゴは全体が茶色っぽい。

紅葉したブルーベリーの枝のツチイナゴ
これからの冬に備える:20221112撮影

冬真っ只中、1月に日光浴していたツチイナゴの目から縞模様が消えかかっている。

真冬に日光浴しているツチイナゴの顔
目の色が濃くなってくる:20230120撮影

3月、春を迎えたツチイナゴの目にはもう縞模様はないみたいだ。

越冬を終えた春のツチイナゴ成虫
目のシマシマがほとんど見えない:20230323撮影

でも、この頃の目にはまだ若干明るさがあるし、体表の色は全体に薄く茶色のフィルターがかかった感じ。

葉蘭の影から顔を覗かせるツチイナゴ
暖かくなるとようやく跳ぶようになる:20230426撮影

5月に外壁に張り付いていたツチイナゴはどうだろう。少し黒っぽくなってきたかな。

外壁にとまっているツチイナゴ
西日のあたる壁にて:20230515撮影

この5月中旬あたりから、明暗のコントラストが際立つツチイナゴがだんだん増えてくる。

老熟した5月のツチイナゴ
渋味の増した老熟のツチイナゴ:20230520撮影

色の淡かった部分はさらに明るく、濃かった部分はさらに暗く変化したみたいだ。

葉蘭の上の晩年のツチイナゴ
目の縦縞はもう見えない:20230612撮影

栗色のシマシマだった複眼は黒茶一色になって、ちょっと凄みも出てきた。

ピットスポルムの枝につかまる6月のツチイナゴ成虫
クリームイエローと黒茶で冴え冴えと:20230609撮影

6月に始まるツチイナゴの世代交代

6月下旬、庭のドクダミの葉にツチイナゴが横たわっているのを見つけて、少し離れた場所から撮影。体を支える力はもうないようだった。

ドクダミの葉上で寿命を迎えるツチイナゴ:20230622
驚かせないように撮影は遠くから:20230622撮影

力強い飛翔をする個体もまだいるけれど、老熟した美しいツチイナゴたちはこの頃から少しづつ姿を消していく。

そして、同時に小さなツチイナゴたちが現れる。

赤クローバーの葉上のツチイナゴの幼齢幼虫
赤クローバーの葉上にて:20230621撮影

ツチイナゴは、年間を通じてこの庭の常連なのだ。

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