ツチイナゴは朝陽がお好き

冬の朝には霜が降り、年に数える程だが数センチの積雪がある庭である。冬枯れした地面の所々に猫草にもなるイネ科の野草やスイバが緑を添えている。
日中には霜を葉陰でやり過ごした昆虫たちが日光浴している姿がちらほら。その中でもiPhone片手に庭に出るこちらの期待を裏切らないでいてくれるのは冬のバッタの代表格、ツチイナゴだ。

暖かい日に必ずツチイナゴに会える場所が3箇所ある。我が家には朝日のあたる東の庭と、西日の当たる西の庭があるのだが、ツチイナゴのホットスポットは全て東側に集中している。

1箇所目:倉庫前のイネ科植物の茂み

倉庫前に、野蒜とイネ科雑草の混在した草むらがあり、スチールの倉庫壁面が暖かさを倍増するのかツチイナゴたちに人気なのである。

2匹のツチイナゴ
物置と草むらに1匹づつのツチイナゴ:20191218撮影

茂みにいる時もあり、倉庫壁面に勢ぞろいしていることも。

草むらの中で日光浴中のツチイナゴ
倉庫前のイネ科の植物の常連ツチイナゴ:20200104-5撮影

倉庫前の小さな南天の枝でくつろいでいることもある。

南天の葉の上の12月のツチイナゴ
色づいた南天の葉の上で:20191218撮影

2箇所目:葉蘭の大きな株

高さ幅とも1メートル弱の葉蘭の株を覗き込むと、ここには常に1匹だけ日光浴。この株の根元にはいれば完璧に霜からは守られるはずだ。

冬晴れの日の葉蘭の株で日光浴中のツチイナゴ
葉蘭の株の常連ツチイナゴ:20200104-5撮影

葉蘭の上には梅の枝が張り出していて、野鳥たちが日常的に止まり木にしているが、そこからは死角になるのだろう。

3箇所目:植木鉢の側面

藪の中においた植木鉢の南側がツチイナゴたちのお気に入り。ここは朝から昼過ぎまで日当たり良好。

草むらの植木鉢にしがみついて日光浴中の冬のツチイナゴ
草むらの植木鉢の常連ツチイナゴ:20200104-5撮影

植木鉢のある1メートル四方は夏からいっさい草取りをしていないいない。この茂みからは天道虫たちもわらわらと湧き出てくる。

野草に埋もれたクリスマスローズ
野草の茂みが虫たちを守ってるのかな:20200105撮影

秋にエントモファガ・グリリ(バッタカビ)に感染死したツチイナゴが3匹連続して見つかり、我が家のツチイナゴは全滅かと悲観していたが、どうやら次世代に命をつなぐことができそうだ。