庭のどこかで喰いつ喰われつ
野草おい茂る荒れ庭のおかげで、生き物との遭遇に事欠かない我が家。彼らが葉をかじったり、蜜を吸ったり、果実にかじりついている姿は日常だ。そして時々、ハンティングの場に出くわすこともある。
アブラゼミ、カマキリに喰われる
ビビビビという大きな羽音が間欠的に聞こえる。
音を訪ねていった先でオオカマキリがアブラムシを捕らえて食べていた。東の庭、梅の木の幹でのことである。
見ている最中にも、アブラゼミが激しく羽ばたくが、体を揺さぶられつつもカマキリはホールドを緩めない。
体の大きさからメスのカマキリだと思う。次の世代のために食べねばならぬのだ。
この庭の最強の生き物の一つであるカマキリも幼いうちは食われる立場だ。
下は、頭部と足を残して食べられた幼虫の死体。
場所は東の庭のウッドデッキの際にあるシロタエギクの葉の上。5月に1メートルほど離れたデッキの足元の卵嚢から孵化した中の1匹かもしれない。
このシロタエギクにはササグモが幾匹も住んで狩りをしているが、死んだカマキリのかじられた感から、カマキリの共食いを疑う。
はたして3日後にこのシロタエギクの株で、食べられたカマキリよりも大きな幼虫に出会った。
今年複数の卵嚢からの孵化を確認している。今年一番早く孵化したオオカマキリは3月で、彼らの卵嚢もこのすぐ上のウッドデッキの屋根だ。
獲物の少ない3月に孵化したグループのいく匹かが生き残っていれば、5月に生まれた幼虫たちは願ってもないご馳走だろう。
シオヤアブ、コガネムシを空中キャッチ
東の庭のブルーベリーを収穫していた時のこと、ブンっという大きな羽音が頭の上で止まった。どうやら帽子の上に何者か飛来した模様。ふっと頭を動かしたらブブーっと飛び立って物置の屋根に移った。
白いモフモフお尻、オスのシオヤアブである。何かを抱え込んでいる。
獲物を確認しようと近づいたら物置から飛び立って、植木鉢の金柑の葉にとまった。
どうやらいつも葡萄の葉を齧りにやってくるマメコガネを捉えたようだ。口吻をぶすりと突き刺して体液をすすっている。
先日、ウッドデッキにコガタスズメバチが死んでいた。体に穴があった。あれもシオヤアブの仕業だったかもしれない。
シオヤアブは去年から目につくようになった。カマキリとともにこの庭での最強のカテゴリに入る昆虫だ。
でも、案外そそっかしい虫なのか、よくウッドデッキの屋根に勝手にとらわれて騒いでいる。
下画像はメスのシオヤアブ。オスより一回り大きくたくましい。アシナガバチやスズメバチが同じような窮状に陥ったところを見たことがない。ギャップが微笑ましい。
いや、そそっかしいのはシオヤアブだけではないな。よくトンボもトラブっている。
下は多分ハグロトンボだと思う。彼らはハラハラと静かに優雅に羽ばたく。
下画像は、ウスバキトンボ。こちらはシオヤアブより軽い羽音で教えてくれる。
ニホンヤモリ、大きすぎるバッタを喉につまらせる?
夜の狩人ヤモリは、玄関、浴室、台所のガラスにやってくる。
この夜、玄関引き戸の上の欄間ガラスに現れたオスのヤモリ。灯りによってきたバッタを守備よく捕らえた。
撮影していると、首を横に激しく振る動作を幾度か繰り返している。どうやら彼には大きすぎる獲物だったようだ。
ちゃんと飲み込めるのか、あるいは吐き出せるのか気になって見ていたら、バッタを咥えたままガラスを走って窓から消えてしまった。
その後が気にはなったが、この時間帯に玄関サッシを開けると、驚いたヤモリが頭の上から降ってきたことが2度ある。ヤモリの無事を祈って玄関灯を消した。