デュランタ宝塚にクロメンガタスズメがやってきた。
デュランタはこの芋虫の食草のひとつ
もともとこのデュランタはクロメンガタスズメの幼虫のために買ってきたものだ。2021年の晩秋に、食草が尽きた庭でしょんぼりしている芋虫を見つけたのだ。ホームセンターで幼虫のご飯になるものはないかと探し回り、見切り品コーナーでやっと見つけたデュランタ2鉢。翌春に地植えして、1本だけ冬を越した。
昨年から花をつけ始め、今年から本格的に開花だ。現在樹高1.5メートルほど。
涼しげに揺れる優美な花で、バニラのような香りがふんわり漂う。
今までこの木でクロメンガタスズメを見たことはなく、朝顔やノウゼンカズラにばかり現れるので、食草としての優先順位は低いと思っていた。
緑色バージョンのクロメンガタスズメ
ところがある日、かなり育った幼虫がいることに気づいた。3匹も。
デュランタは玄関脇に植えてある。毎日花を愛でていたのに、このサイズになるまで気づかなかったとは・・・。
2匹はすでに10センチ越えの終齢幼虫で、下の1匹だけまだ小さい。
昨年見かけた幼虫は、ことごとく天敵のブランコヤドリバエの卵が産み付けられていたけれど、今回は珍しく3匹とも無傷だ。デュランタの葉色によく馴染むこのボディカラーが勝因か。寄生バエも私もすっかり欺かれた。
地表の天敵:蟻
一番大きな芋虫がいなくなったので、地中で蛹になったと思っていた。でも翌日、この木の足元に蟻の砂盛りを発見。
蟻たちが、巣まで運べない大きな獲物を隠している。
軽く塚を壊すと、砂粒の隙間から暗く燻んだ緑色がのぞいた。地表に降りて蟻に囲まれたのだ。
この時期、庭のあちこちに蟻の作った砂盛りがあって、その下にあるのは昆虫だったり、葡萄の粒だったりする。最初の1匹は働き者の蟻たちのご飯になってしまった。
数日して、もう1匹の終礼幼虫も姿を消した。木の周りに蟻の砂盛りを探したけれど見当たらない。
幸運を。
芋虫の天敵:ブランコヤドリハエ
我が家のデュランタはそんなに大きな木ではないけれど、保護色カラーの芋虫はうまく葉に紛れて、小さかった最後の一匹を、日によって見失ったりしていた。
そしてある日、また3匹いることに気づいた。
最初から5匹いたのかな?
今回は大・中・小というサイズ展開。先の画像で脱皮していた芋虫は一番大きな個体かもしれない。
小サイズはまだ7センチほど。
けれど今回は寄生バエが上手だった。
下画像では既に卵が孵化している様子。ハエの幼虫が体内に入ってしまった。この芋虫は蟻の試練をすり抜けて蛹になれるかもしれない。でも羽化はできない。
下画像は、花壇の縁でじっとしているブランコヤドリバエ(おそらく)。オスかな?メスかな?
多くの芋虫類に寄生するブランコヤドリバエは、農業害虫の天敵として生物的防除資材の一つなのだとか。
大分県では今、ハスモンヨトウが大発生している。この庭も例外ではなく、写真のハエのすぐそばで、百日草やらアニスヒソップが被害を受けている。テデトール(手で取る)で対応しているけれど、ちょっとだけ彼ら寄生バエの力も借りたいところなのだ。