庭の虫たちの間でグレビレアの認知度が上がってきたようで・・・

グレビレア、ピーチズ・アンド・クリームが春からずっと咲いている。四季咲きの本領発揮だ。
今年から蜜を目当てにちらほら虫がやってくるようになった。

春から初冬まで咲くピーチズ・アンド・クリーム

2021年の10月に植えたグレビレア、この秋で3年になる。西日が強く当たる立ち上げ花壇に、かなり水捌けの良い土で植えた。だから乾燥にだけは気をつけている。

2年間、無肥料だったが、今年5月に一度だけオージープランツの肥料を大さじ1杯だけ施した。

ある程度の温度があれば一年中咲く品種で、寒さが緩むとすぐに花穂が出てくる。

春、蕾が動き出すグレビレア
春、枝先にいくつもの花芽が現れる:20240418撮影

コロコロした蕾が集まって、葡萄のふさを逆さまにしたように立ち上がる。

青空とグレビレアの蕾
花房が立ち上がってくる:20240510撮影

淡い色彩ながら華やかに開花すると、道ゆく人の目を引くらしく、花の名前を幾度も尋ねられた。

グレビレアピーチズアンドクリーム
色づき始めた初花:20240519撮影

ピーチズ・アンド・クリームという名だけあって、淡い灰緑からオレンジまでの柔らかなグラデーション。

グレビレアの花房
開花:20240519撮影

徐々に先端へと咲き進み、オレンジ色に染まりきった部分からパラパラと落ちていく。

色づき始めたグレビレアピーチズアンドクリーム
少しづつオレンジがかってくる:20240524撮影

グレビレアの花の蜜に虫たちがやってきた

グレビレアの花には、触ると指先が濡れるほどの蜜がある。オーストラリアではミツスイなどの小鳥が蜜を食べにやってくるけれど、ここでは唯一、蟻たちだけが初年度から訪れていた。

下画像は、昨年この木に巣を作ったコクサグモと、花の蜜の混じった水滴に群がる蟻たち。

グレビレアに巣をかけた蜘蛛(コクサグモ)と水滴に群がるアリ
コクサグモも食事中。:20230914撮影

でも今年は、数種の蜜を吸う虫たちがやってきた。まずはトラマルハナバチ。

雌蕊を足でぐいっと押し上げて長い口器を花の奥へと伸ばしている。

グレビレアの蜜を吸うトラマルハナバチ
雌蕊をぐいっと押し分けて:20240529撮影

同じ時に見かけた、少し小柄なもう1匹はクロマルハナバチと思われる。

グレビレアの花にやってきたマルハナバチ
クロマルハナバチかな?:20240529撮影

ホバリングの名手もやってきた。今回見かけたのはホシホウジャク。
一つの花から1分ほどかけて蜜を吸っていた。もしかすると他種のスズメガたちも昼に夜にやってきているのかも。

グレビレアの蜜を吸うホシホウジャク
ホシホウジャクもたっぷり時間をかけて蜜を吸う:20241012撮影

チャバネセセリも甘い蜜を堪能中。

グレビレアの蜜を吸うチャバネセセリ
チャバネセセリ:20241015

グレビレア人気は花が少ないから?

ついに、グレビレアの有り余る蜜を求めて蝶やハチがやってくるようになったか・・・と考えていたのだけれど、別の理由に思い至った。今年は花が少ないのだ。

通路を挟んでグレビレアの向かいにあるルリマツリには今、花が全くない。その原因はハスモンヨトウの大発生。

彼らはルリマツリの花芽をことごとく食い尽くしたにも関わらず、すぐそばのグレビレアには数えるほどしかやってこなかった。そういえば彼らは日々草にも口をつけていない。見境なしの食欲を持つこの芋虫にも好き嫌いがあるらしい。

ルリマツリは蝶や蛾に人気の花なのだ。その代替としてのグレビレアなのかもしれない。

グレビレアの花を食べるハスモンヨトウの幼虫
ハスモンヨトウの幼齢幼虫:20241007

滴る蜜のため、すす病が出てしまうグレビレア。できれば昆虫たちの人気花になって、蜜を吸い尽くしてもらえるとありがたいのだが。

グレビレアにツチイナゴ2匹
グレビレアで憩うツチイナゴ2匹。彼らはよくこの茂みで脱皮している。:20241018